ニューヨーク コーヒー豆探訪 2022/10月号「ブルックリンズ・オウンコーヒー(Brooklyn’s Own Coffee)」 

BEANS

このコーナーでは、ニューヨーク在住日本人ブロガーのSky(筆者)が、ニューヨークにあるロースターを中心に、毎月気になるコーヒー豆をピックアップ。ロースターの紹介とともに、実際にそれらの豆を購入し、自宅でドリップコーヒーを淹れ、味についての感想をお届けしていきます。

今月はお求めやすい価格帯で自家製焙煎豆を販売するBrooklyn’s Own Coffeeから「House Blend」をご紹介します。

Brooklyn’s Own Coffeeの紹介(HP参照)

世界的な物価の上昇が進んでいます。もちろんコーヒー豆も例外ではありません。これまで本コーナーで紹介してきたコーヒー豆の中でも、高価なものは12oz(340g)パックが20ドルすることも。

そんな中、今月はお財布に優しいという視点で、ブルックリンズ・オウンコーヒーを紹介したいと思います。

創業は2016年。ブルックリンの中心部に位置する長い歴史のある焙煎工場で、少量バッチで焙煎しています。どうやらカフェは展開していないようで、コーヒー豆は同社のホームページかアマゾン、ニューヨーク市内のスーパーなどで手に入れることが出来ます。

コーヒー豆のパッケージは古典的な茶色の紙製で、「Brooklyn’s Own」のスタンプが押されているだけ。シンプルで飾り気はありませんが、その分の費用を抑えて、おいしいコーヒーをお手頃価格で届けようとしています。

今回紹介する「House Blend」も12oz入りパックが9.99ドル(オンライン価格)と、これまで紹介した商品と比べると約半分〜2/3ほどのお値段です。コーヒー愛飲者が多いご家庭には嬉しいですね。

注文を受けてから焙煎、梱包、発送しており、その証として「Born On Date」の部分に焙煎日が記されています。

コーヒー豆の品揃えは5種類(エスプレッソブレンド、フレンチロースト、ブレークファストブレンド、コロンビアスープレモ、そして今回試したハウスブレンド)と少数精鋭ながら、定番を押さえています。

最近店頭で見て気になっていたのが、ブルックリンズ・オウンコーヒーが販売するオーガニックグラノーラ。こちらもシンプルな茶袋入り。いつか試してみたいと思っています。

今月のコーヒー豆「House Blend」

ロースターの個性を垣間見たく、ハウスブレンドを選びました。100%アラビカ種の豆を使用。焙煎度合いは「ダークロースト(深煎り)」になります。

豆の産地はブラジルスマトラエチオピア。エチオピアはちょうど先々月号で紹介したところですが、スマトラ産の豆を当ブログで触れるのはこれが初めてになります。

スマトラ島はインドネシアの一部で、ジャワ(Java)コーヒーで有名なジャワ島の隣に位置しています。一般的にスマトラ島の環境はアラビカ種の栽培に適していると言われています。

また大部分のスマトラ産豆は「ウェット・ハル(Wet hulling)」または現地語で「ギリン・バサ(Giling Basah)」と呼ばれる独自の方法で精製されています。

簡単にプロセスをまとめると、、

1. 農家が自家製の機械でコーヒーチェリーの皮を除去、一晩袋に入れて発酵させる。
2. 翌日果実を除去。豆がパーチメント(種子の部分を包む茶色の皮、内果皮とも呼ばれる)に包まれた状態で、農家の庭で部分的に乾燥させる。
3. その後業者の倉庫に運ばれ、コーヒー豆からパーチメントを取り除き(脱穀)、さらに乾燥させる。
4. 出荷される港で再度乾燥させる場合もある。

つまり乾燥の工程が2〜3回に分かれることになります。この精製方法が他とは違うのは、豆が水分を多く含んだ状態で脱穀されるため、コクが深く重みがあり、酸味は少なく、大地の香りのような独特な香りを含むコーヒーになります。

酸味が少ないことから、深煎りで焙煎されることが多いようで、実際の豆の写真を見てもお分かりのように豆の色が濃い茶色をしています。

ブラジル、エチオピアとの組み合わせでどのような味わいのブレンドに仕上がっているのか、試飲が楽しみです。

  (写真: 実際の豆)

コーヒーを飲んだ感想

近所のスーパーで「Born On Date(焙煎日)」から1週間程しか経っていない新鮮な豆を購入することが出来ました。

コーヒー豆の濃い茶色と香りから「苦味のある強いコーヒー」の予感がしたので、湯温はあまり高くしすぎず、でも酸味を気にする必要がないので、88℃前後で淹れてみました。

豆は筆者愛用のコーヒーミル「Breville Smart Grinder Pro」で若干粗挽きに。苦味が出過ぎるのを避けたかったからです。

ドリッパーは毎度おなじみHario V60を選択。(参照過去記事:筆者愛用のコーヒーミルドリッパーの違いについて)

口に含んだ第一印象は、やはりビターな苦味。そしてなんだか懐かしい気持ちに。おそらく日本にいる頃に飲んだコーヒーは、この苦さで押すタイプが多かったのかも知れません。ただ鮮度が良いので、全く嫌な苦味ではありません。

中盤(ミドルノート)でもう少し重厚感が欲しかったので、Melittaでもドリップしてみました。

(久々登場のMelittaドリッパー)

これが正解!Harioだとコーヒー液が早く落ちてしまので、あっさりし過ぎてコクがあまり感じられませんでした。でもMelittaで少しゆっくりめに抽出することで、苦味とコクと、香ばしい香りも際立つようになりました。

深煎りコーヒー、かつ苦味を特徴とする豆を使用しているということもあり、強いコーヒー、苦味のあるコーヒーがお好きな方には最適だと思います。湯温や豆の粒度で、まだまだ苦味を強くする余地はありそうです。

Sky満足度 ☆3.8 (5点中)  筆者は酸味・甘味のあるコーヒーが好みだということもあり低め採点になりましたが、苦味があるコーヒーが好きは方は満足できる味だと思います。何よりこの鮮度でコスパが抜群に良い!無駄な装飾は要らないので、鮮度が良いおいしいコーヒーを手軽な値段で。という方におすすめです。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。次回は11月となります。どうぞお楽しみに!

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