アメリカ北西部のコネチカット、マサチューセッツ、メイン州を擁するニューイングランド地方はロブスターの産地として知られ、新鮮なロブスターロールを提供するレストラン・ロブスター小屋(後述)がたくさんあります。
中でも水揚げ量が一番多いのがメイン州。カナダと国境を接する東海岸最北端の州で、日本の稚内市と同じ緯度に位置しています。
別記事でも触れましたが、ロブスターロールが大好物の筆者は、いつかメイン州を訪れとびっきり新鮮なロブスターロールをおなかいっぱい食べてみたいと夢見ていました。
そしてついに!2022年夏、念願かないメイン州へ行ってきました。
どうせならメイン州で一番おいしいロブスターロールが食べたい!と向かった先は、ポートランド近郊の街ウィスカセット(Wiscasset)にあるレッズ・イーツ(Reds Eats)。
最近「ニューイングランド地方1おいしいロブスターロール」に選出された有名店で、それ以前から継続的にメイン州No.1に選出されている評判のお店。
本記事では筆者のグルメ旅行記をかねて、ニューイングランドNo.1ロブスターロールのお店を訪問した様子、そして実食した感想をレポートします。
ロブスターロールを極めたい方や、一味違ったメイン州観光をしてみたい方まで、本記事がお役にたてれば幸いです。
レッズ・イーツとは?
ニューイングランド地方には「ロブスターシャック」と呼ばれるロブスター小屋が多数あります。簡単に言うとプレハブ小屋のような店舗で、獲れたての新鮮なシーフードを提供するお店。窓口で注文した食べ物を、各自屋外のテーブルに運んで食べるスタイル。海岸沿いにあることが多いです。
レッズ・イーツは、ロブスターシャックという形態やロブスターロールを全米に広げる上で大きな貢献をしたと言われています。
メイン州ポートランドから車で約1時間北上するとウィスカセットに着きます。メインストリートであるルート1(Route 1)を北に進むと、シープスコット川を渡る直前プレハブ小屋のような店舗が見えます。たくさんの人が行列を作っているのですぐにわかります。
81年の歴史がありますが、現在のロブスター小屋の形態になったのは1954年。その後1957年にお店を購入したハロルド・デラーノ(Harold Delano)が、彼の髪色から来たニックネームをとって「Red」と名付けます。
1977年にはアル・ギャグノン(Al Gagnon、後のAllen Gagnon)がお店を買い取りましたが、「Red」の名前はそのまま残します。アルは、今日人々に愛されているいるロブスターロールをメニューに追加。
アルの人柄とロブスターロールが人々をひきつけ、お店の人気は急上昇。数々の雑誌等で取り上げられ、やがてメイン州で1番おいしいロブスターロールを提供する店として全米の注目を浴びるように。
2022年にはBoston.comの読者が選ぶ、ニューイングランドで一番おいしいロブスターを食べられる店に選出されました。
30年間以上オーナーを務めたアルは2008年に亡くなりますが、彼の遺志を継ぐ4人の子供たちによりお店は継続して運営されています。
アルはいつも言っていたそうです。「1回だけなら誰にでも食てもらえる。だが2回食べてもらえるということは、正しいことをやっているということ!」これは筆者も同感です。1回行って再訪はないなと思うお店がどれだけ多いことか。
そんなレッズ・イーツですが、冬のシーズンは閉店します。2022年の最終日は10月31日(予定)。再開は春ごろになるようです。2022年は4月の再開でした。
営業期間中でも基本は月・火曜日がお休みのようです。各シーズンの営業時間はお店のFacebookで確認できます。
ロブスターロールを注文
筆者が訪問したのは、土曜日の正午すぎのゴールデン時間帯。お店の周りにできた長蛇の列を目にし、心が折れそうになりましたが、ニューイングランドNo.1ロブスターロールを食べるため!と腹をくくりました。
整理券などはなく列に並んで待つしかありません。窓口の注文システムがとってもアナログで、列が進む速度がめちゃくちゃ遅かったです。
並んでいる途中、強烈な日差しや通り雨にも遭遇しました。日傘、飲み物、暇つぶしの娯楽グッツなどを持参することをおすすめします。
過酷な気象条件のもと待つこと2時間半!ついにわれわれが注文する番がやってきました。
ロブスターロール以外にもたくさんのメニューがありますが、ここはロブスターロール1択です。付け合わせとして地元産の溶かしバターまたはマヨネーズが付いてきます。
ロブスターロールは25ドル。新鮮さとボリュームを考えるととってもお得です。(ニューヨークでも同じくらいの値段。でもサイズはかなり小さい。)
帆立貝柱のフリッター(Side of Sea Scallops)、メイン州名産ブルーベリードリンクも注文。
支払いは現金のみです。(近くにATMあり)
注文後にお店の裏庭にあるテーブルに座って待っていると、スタッフが商品を届けてくれます。
ついに実食!
まずはこの画像を見てください!
お店いわく、1個当たりメイン州で陸揚げされたロブスター1.5匹分の身が使われているとか。あらためてこのボリュームと鮮度で25ドルはお得過ぎます!
パンの部分が隠れて見えません。ロブスターロールというよりもはや「ロブスターそのもの」!
ロブスターの身が惜しげもなく積み上げられています。
かぶりつくには大きすぎるので、まずはロブスターの身の部分だけをぜいたくにいただきます。
溶かしバターに浸してお口に入れると天にも登るようでした!独特の甘みが口の中に広がり、鮮度が良いので臭みが一切なく、食感も非常に良いです。
ロブスターのおなかの部分からハサミの部分の身まで、異なる部位で食感の違いが楽しめます。
全体がある程度の大きさに収まってからホットドックバンと一緒にかぶりつきますが、パンの存在感はほとんどなし(笑)。
レッズ・イーツのロブスターロールは、パセリやセロリなどのガーニッシュ、マヨネーズなどの調味料は加られておらず、シンプルを極めています。鮮度が良いからこそできること。まるでロブスターそのままを食べている感じです。
これほどロブスターをぜいたく使いしたロブスターロールは、人生初めて食べました。想像を超えるボリューム。
2時間半待った価値はあります!
あまりの量があるで、後半になると味のアクセントを追加しても良いかな?と思いました。なので、2つ以上頼むなら付け合わせにマヨネーズとバターを1ずつ頼むのが良いと思いました。
ロブスターロールに存在感を奪われていますが、帆立貝柱のフライも美味しかったです。
こちらは、レモン汁とバターでいただきます。ロブスターロール同様、鮮度が良く、ほのかな甘みとフレッシュな食感が楽しめました。
鮮度に勝る調味料はない!と実感し、大満足でお店を後にしました。
まとめ
ロブスターロール好きなら一度は食べてみる価値はあります。おすすめする理由は3点、ボリュームと鮮度と値段。絶対再訪したいと思います。
一般的なロブスターロールは、お値段張るわりにだいたい小さめなので、正直おなかいっぱいにならいです。筆者はサイドにポテトフライを頼んでごまかしています(笑)。でもレッズ・イーツのロブスターロールは、それだけで満足感がありました。
待ち時間は休日なら1-2時間は想定した方が良さそうです。そのため天候に応じた服装、日傘などの準備、暇つぶしの娯楽用品(スマホ・タブレット・本など)をお忘れなく。
現金でのみ支払い可。
Red’s Eats (レッズ・イーツ) | |
住所 | 41 Water Street Wiscasset, Maine 04578 |
州外からは | ポートランド空港(PWM)からレンタカー使用、約1時間 MA州ボストン空港(BOS)からレンタカー使用、約2時間45分 |
電話番号 | (207) 882-6128 |
ホームページ | https://www.redseatsmaine.com/ |
注意事項 | 冬(例年11-3月は休業)詳細はお店のFacebookで要確認 現金のみ |