【NYCおすすめラーメン食べ歩き】ラーメン発展期にあるブルックリンからおすすめ4店を紹介

FOOD

ラーメン大好き筆者Skyがニューヨークのおすすめラーメンを紹介するシリーズ。第五弾となる今回はマンハッタンから飛び出してブルックリン地区のお店をまわります。

ブルックリンはとにかく広く、ラーメン屋さんの密度はマンハッタンほどは高くありません。だからこそ、そのすき間を狙って実力派のお店が進出する余地がまだまだあるエリアだと思っています。

第一弾で紹介した「Tonchin New York (屯ちんニューヨーク)」も昨年ブルックリン・ウィリアムズバーグに進出しました。

ラーメン文化発展途上のブルックリンで、筆者が数々のラーメン屋を食べ歩き、合格点だと感じた厳選4店を本記事では紹介したいと思います。ニューヨークでおいしいラーメンをお探しの方の参考になれば幸いです。

※価格表示はすべて2022年後半から2023年9月にかけてお店を訪問した際の値段(税抜)を記載しています。
今回紹介するお店と筆者評価(5点満点中)
Ramen BANBO(ラーメン暖暮)★4.1
Karazishi Botan(唐獅子ぼたん)★4.3
Ramen Setagaya(らーめんせたが屋)★4.3
Za-Ya Ramen ★4.0

Ramen BANBO(ラーメン暖暮)

福岡の筑紫野発祥、王道博多豚骨ラーメンのお店です。日本国内に20店舗以上、国外にも13店舗展開しており、ニューヨークにはこちらパークスロープとウエストビレッジの2店を構えます。

伝統的な博多ラーメンがメニューの主役。各店舗で仕込まれる豚骨スープは、高品質の豚骨を特別処理したお水のみで極強火で炊き出しているとのこと。天然素材だけで作られたラーメンだれは日本から輸入しており、スープに最後まで飲み干したくなるようなフレーバー与えています。

金曜日の夜7:30頃に訪問。運よく席に座れたものの、すぐに待ち客が発生していました。別件でお店の前を通る時も店外に待ち客がいる割合が高いので、ローカルにも人気が高いことがうかがえます。カウンター席と2名がけのテーブル席が 6〜7 テーブルあり。

■注文したラーメン:Classic Ramen $12.45(キクラゲと煮卵を追加でトッピングし、さらに$3.50上乗せ)

こちらでは麺の硬さだけでなく、スープの濃さや、コク、辛だれの量もカスタマイズできます。筆者は全て標準にしました。

まずはラーメン1杯20ドルが標準になりつつあるニューヨークで、良心的なお値段が本当に嬉しい!日本発祥の本格的な博多ラーメンがこのお値段で食べられるなんて企業努力に頭が下がります。

まずはスープ。素直においしいと思いました!クリーミーでしっかりとしたコクがありつつ、とってもまろやか。くどさや豚骨特有の臭さもありません。ただスープが少しぬるかったのが残念。スープ自体のレベルは非常に高いので、本当に惜しい!

続いては麺です。細麺は鉄板の組み合わせで、文句なし。やや残念だったのが、麺が一部絡まってしまっていて、スムーズにすすれなかったこと。細麺を威勢よくすすりたかったなぁ。

デフォルトのトッピングは少なめで、チャシュー、青ネギ、辛みそのみ。個人の好みに応じてトッピングを追加します。筆者は博多ラーメンで外せないキクラゲと半熟煮卵を追加しました。それでもお得な値段なのでありがたい。青ネギ多めなのも筆者としてはポイント高し。中央に添えられている辛みそは少量ながら結構パンチがあるので、様子を見ながら少しずつ溶かしていくことをおすすめします。

スープ、麺、トッピングとも味のレベルはかなり高い反面、スープの熱さが足りなかったり、麺が絡まっていたりなど、調理手順の部分で気になることがあったのが非常に惜しかったです。ということで評価は以下にします。

評価★4.1(5点中)

Ramen BANBO(ラーメン暖暮)
住所 52 7th Ave, Brooklyn, NY 11217
エリア Park Slope
最寄り駅 地下鉄: B、Q「7 Av」下車 徒歩約5分
電話番号 (718)783-0150
ホームページ https://ramendanbo.com/
その他 West Villageにも店舗あり

Karazishi Botan(唐獅子ぼたん)

たくさんの飲食店・食料品店が軒を連ねるSmith St.(スミス通り)にお店があります。歩くのがすごく楽しい筆者の大好きな通りのひとつです。

シェフである、鐘ヶ江文浩氏は一風堂の出身。 2008年、一風堂アメリカ1号店となるイーストビレッジ店のオープンに携わったそうです。以来ラーメンマスターとして一風堂の海外進出を最前線で支えてきたとのこと。そんな鐘ヶ江氏が自らのラーメン屋を開くことを決心し、2019年に一風堂を退社。2020年にKarazishi Botanをオープンしました。

お店の名前が気になってたのでホームページを拝見すると以下のように紹介されていました。

百獣の王のイメージがある獅子ですが、ただひとつだけ恐れているものがあります。それは獅子の毛皮に寄生し、皮膚を食い破り、やがて骨にまで達するという小さな害虫です。この害虫は夜牡丹(ぼたん)の花から下たり落ちる夜露にあたると死んでしまいます。そこで獅子は夜に牡丹の花の下で休みます。
獅子が牡丹に安住を見出すように、Karazishi Botanチームは、私たちの気取らないラーメン店が、訪れる人々にとって、友人や家族と快適に食事を楽しめる和やかな隠れ家になることを願っています。(筆者抄訳)

一風堂時代、ニューヨークで日本のラーメンを広げるために多大な貢献をした鐘ヶ江氏ですが、自身のお店ではいわゆる典型的な日本風ラーメンだけでなく、独自性の高いニューヨーク発ラーメンを提案しています。

メニューを見るとなるほど。ラーメンのカテゴリーには「Fromブルックリン」と「Fromジャパン」があり、ブルックリン側に並ぶラーメンのスープは「ポルチーニ茸味噌」や「チキン&牡蠣」などオリジナリティにあふれています。ということで今回はブルックリン発のラーメンからチョイスすることにしました。

■注文したラーメン:Point Blank (わさび醤油:No 493)$19

スープは豚ベースの醤油味ですが、西洋わさび(ホースラディッシュ)のアクセントが効いた「わさび醤油」ラーメン。写真左上はラーメンを半分ほど食べた段階で投入する「ゆずジュース」。わさび風味のラーメンを食べるのは、筆者の人生で初めてです。

まず芸術的なプレゼンテーションに感激。唐獅子を連想させる紺色の模様が施されたラーメン鉢とスープ、そして黄色い麺のコントラストが美しい!きれいに折り畳まれた麺の上に、メンマ、豚チャーシュー、ねぎ、そして「エメラルドジュエリー」と称されているわさび味の飛び子?が優雅に鎮座しています。

スープをまず一口。しっかりとした醤油味とサラっとした味わいながらもコクのあるスープ。豚ベースといえば白濁した豚骨スープを思い浮かべますが、こちらのスープは透明で、なんとも言えない芳醇なフレーバーがおいしい!そしてホースラディッシュが加えられているだけあり、ツーンとした辛味が鼻から抜けていきます

正直、想像以上に辛かったです。わさびの辛さが苦手な方にはおすすめしません。わさびの飛び子?も非常にパンチがあるので、全部をスープと混ぜずに、調整しながら食べ進めると良いと思います。

中盤以降はゆずジュースを投入。辛味のあるスープに柑橘系のさっぱり感が追加されて、わさびの辛味に少し疲れていた舌に癒しを与えてくれました。

麺は中太の緩い縮れ麺で、うまみが強く、個性の強いスープの中でも存在感を失っていません。さすが、麺に造詣の深い鐘ヶ江シェフです。硬さもちょうど良し。

全体として、想定以上にわさびの辛味が効いたラーメンで、辛さと格闘しながら食べ進めましたが、スープのコクと麺の美味しさなど、基礎的な実力の高さが感じられました。

独創性のある食材の組み合わせやプレゼンテーションでニューヨーク発の新しいラーメンを発信されている姿勢に感銘を受けました。絶対再訪して別の(辛くない)ラーメンにも挑戦したいと思います。

評価★4.3(5点中)

Karazishi Botan(唐獅子ぼたん)
住所 255 Smith Street, Brooklyn, NY 11231
エリア Cobble Hill
最寄り駅 地下鉄: F、G「Carroll St」下車 徒歩約5分
電話番号 (347)763-1155
ホームページ https://www.karazishibotan.com/

Ramen Setagaya(らーめんせたが屋)

日本でもおなじみのらーめんせたが屋さん。筆者も日本に住んでいた頃、何度か食べたことがあります。

創業者の前島司氏がらーめんせたが屋をニューヨークにオープンしたのが2007年。翌年にはNew York Magazineの「Best of New York, Restaurant section」を受賞し、世界のラーメンブームの先駆け的存在として注目を浴びたそうです。

ブルックリンに2店舗を構えていますが、今回はインダストリー・シティーにあるせたが屋さんを訪問しました。こちらの店舗はフードコートということもありフルサービスではないので、お水を含めた飲み物は自分で持参する必要があります。お隣にあるサンライズマートで調達しても良いでしょう。

(参照過去記事:NYブルックリンの日本村「ジャパンビレッジ」&インダストリー・シティーが楽しすぎた!

■注文したラーメン:Black Garlic Tonkotsu(黒マー油ラーメン)$15

筆者が日本のせたが屋さんでいつも注文していた黒マー油ラーメンにチャレンジ。日本では煮干しをふんだんに使った魚介風味の強いスープですが、ここニューヨーク版は豚骨スープを使用。

少し懐疑的になりながらもスープを一口。うまい!温度はしっかり熱々で嬉しい。見た目はわりと透明感のあるスープですが、脂身と甘さのバランスが抜群でコクもあり、マー油が良いアクセントになっています。

トッピングの主役、炙りチャーシューは表面がカラメル状にカリッと焼かれていて、肉厚ながらもくどくなく、非常においしかったです。もやしとメンマの定番脇役たちもいい働きしています。

麺は中太のストレート麺でしょうか。スープとの相性がとてもよかったです。

フードコート店舗でありながら非常にレベルが高く一杯へのこだわりを感じました。これで$15というのはニューヨークにしては良心的。

ただし(フードコートだからか)プラスチック製スプーンなのがやや残念。使い捨て素材ではないレンゲでスープをすすれば、もっとおいしく感じられるのでは?と思いました。

日本の店舗とは使用している材料が違うと思われ、まったく同じ味を期待していくと違和感があるかもしれませんが、単体の黒マー油ラーメンとしては非常においしいと感じたので、以下の採点とします。

評価★4.3(5点中)

Ramen Setagaya(らーめんせたが屋)
住所 934 3rd Ave, Brooklyn, NY 11232 ジャパンビレッジ内
エリア Sunset Park
最寄り駅 地下鉄: D、N、R「36st 」下車 徒歩約5分
ホームページ https://www.setagayany.com/
その他 Williamsburgにも店舗あり

Za-Ya Ramen

モンゴル出身のIveelt Bayart氏が2017年にオープンした、ブルックリンの隠れ家的ラーメン屋さんです。お店はイケア(IKEA)ブルックリンのあるRed Hook地区にあります。

周辺は上の写真のような感じで、繁華街とは言えないエリアですが、木曜夜の来店にもかかわらず、お店は半分以上埋まっておりました。

こちらのZa-Yaラーメンの名物は豚骨ならぬ「牛骨(Gyukotsu)」スープ。Iveelt氏はかねてから、牛骨を使用して、豚骨スープの様に濃厚で脂肪分のあるラーメンを生み出すことができると考えていました。

牛骨スープで作ったラーメンを食べるのは初めてで、どんな味なのか期待が高まります。

■注文したラーメン:Gyukotsu Ramen $18

韓国料理の「ソルロンタンスープ」を彷彿(ほうふつ)させる、乳白色のとってもマイルドな、そして旨みたっぷりのスープです。ともすれば、ぼんやりとした味になりがちなところ、焦がしガーリックのチップがアクセントを効かせています。体によさそうな胃に染み渡るスープです。

ただスープがぬるかったのが非常に残念。熱々だったら、もっとおいしく頂けるのにと思いました。それでもスープ自体の味のおかげで、最後まで飲み干してしまいました。

麺は博多風の細麺です。濃厚スープとの相性は間違いなし!

トッピングもにこだわっていて、チャーシューではなく牛肉の炙りブリスケットが乗ってきます。厚みがありつつ、柔らかくて、おいしかったです。他はシンプルにメンマと青ネギが添えられています。

総じて、牛骨スープを飲むラーメン!少し不便な場所にありますが、珍しい牛骨スープのラーメンを食べてみたい方、新しいラーメンに挑戦したい方にはおすすめです。

評価★4.0(5点中)

Za-Ya Ramen
住所 545 Court Street, Brooklyn, NY 11231
エリア Red Hook
最寄り駅 地下鉄: F、G「Smith 9th St」下車 徒歩約5分
電話番号 (347) 987-4103
ホームページ https://zayaramen.com/

最後までお読みいただきありがとうございます。激戦区のマンハッタンと比べると、実力が飛び抜けたラーメン屋さんの数はまだそれほど多くない印象を受けました。それでも今回ご紹介したお店はまた再訪したいと感じるレベルでした。今後もっともっとラーメン屋さんが増えて競争が高まることを期待したいと思います。

ラーメン大好き筆者SkyのNYCラーメン食べ歩き。これまで24店舗を紹介してきました。これからも探求の旅は続きます。次回は第6弾は再びマンハッタンに戻る予定です。お楽しみに!

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