ニューヨークでクラフトビールを飲むならロングアイランドシティー(LIC)がおすすめ。 個性豊かなLICのブリュワリー4軒のご紹介

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ニューヨークのクラフトビールといえば、Brooklyn Breweryが有名ですが、もっと気軽に個性豊かなブリュワリーを巡って、クラフトビールの飲み比べをしてみたいと思ったことはありませんか?

実はブルックリンの北に位置するロングアイランドシティー(Queens地区、Long Island City、通称: LIC)にはマイクロブリュワリーと呼ばれる小規模なブリュワリーが歩いて回れる範囲に4軒あり、ブリュワリー巡りをするには格好の場所なんです。

LICはマンハッタンからイーストリバーを挟んで向かい側のウォーターフロント地区。現在は再開発により、マンハッタンの眺めを一望するタワーマンションが立ち並ぶエリアとなっていますが、以前はPepsiを始めとする工場が沢山あった地区で、LICの各ブリュワリーも工場の名残が残る街並みの中に点在しています。

マンハッタンから電車でのアクセスも良く、アーティスティックな街並みの中で、ビール片手に普段とは少し違う日常を楽しんでみませんか?

この記事ではLICってそもそもどこにある?というLICを訪れたことがない方から、天気のいい休日に昼からビールを飲みたい(笑)、とにかくニューヨークの美味しいクラフトビールの情報が知りたいという方まで、LICでブリューワリー巡りをするために役立つ情報を、実際に筆者が各ブリュワリーを訪れた感想とともにお届けします。

また本記事で紹介するブリュワリーは食事の提供はないか、あってもナッツやポテチ程度です。ビールだけでなく、食事も楽しみたい場合、別のレストランで食べるか、自分で準備してくる必要があります。いくつか周辺でおつまみが調達できるお店も紹介します。

ニューヨーク含む多くのアメリカの州では、公共の場所でアルコール飲料を飲むことは禁止されています。ブリュワリーで購入したビールを片手に街歩きをしたり、近くの公園などであからさまにビールを飲まないようにしましょう。
アメリカの全ての州で飲酒が許可されているのは21歳以上となります。身分証明書の携帯も忘れないようにしましょう。
掲載の価格表示は2021年5月〜9月時点の情報です。

ロングアイランドシティー(LIC)への行き方と各ブリュワリーの位置関係

ブリュワリー巡りの基点となる駅と、各ブリュワリーの位置関係は以下の通り。

地下鉄(MTA)

⚪︎地下鉄: 7, G「Court Square」
⚪︎地下鉄: G「21 Street-Van Alst Station」
⚪︎地下鉄: E, M 「Court Square-23st」
⚪︎少し離れますが、地下鉄: N、W、7「Queensboro Plaza Station」
R、Eの「Queens Plaza」も使えます。

NYC フェリー

⚪︎Wall Street/Pier 11 – Astoria Line「Long Island City」 下船

マンハッタンの「Wall Street/Pier 11」から乗車して、イーストリバークルーズを楽しんでLICに上陸という楽しみ方もできます。

各ブリュワリーの位置関係

筆者作成の簡易地図です。あくまで位置関係のざっくりとした理解を目的に作成しておりますので、少々の荒さはお許しください。詳細は次章に記載します。

ロングアイランドシティー(LIC)のブリュワリー4軒の紹介

(1) Fifth Hammer Brewing Company

工場跡地のレトロな雰囲気を残す46th Aveに位置するFifth Hammer。歩道からはマンハッタンの街並みも眺めることができます。雰囲気やビールの種類の多さ、定期的に開催されるバンドのライブなど、LICの文化発信的役割も兼ねる外せないブリュワリー!ここは絶対訪れてみる価値あると思います。

(写真:バンド演奏とフードトラックの配置がある日の屋外席の様子)

店内のタップルームと歩道に面した屋外席(とは言え簡易椅子とテーブルが置いているのみ)があります。店内に着席する場合は、ワクチン接種の証明が必要です。(2021年10月現在)

注文は店内に入るところにカウンターがありそこで直接注文するか、屋外席のテーブルに表示されている2次元バーコードをスキャンして携帯電話から注文し、後からカウンターで受け取る方法があります。

沢山のビールのラインナップがありますが、ここでぜひ試したいのは「On Cask」と記されているカスク・コンディション・エールです。Caskとは「木製の樽」という意味。木製の樽に詰められたビールは、その後も樽の中で二次発酵が起こるので、サーブする側の頃合いの見極めが大切。

また樽からビールを注ぎ出す時に、金属の樽で使用されている炭酸ガスを使用しないので、炭酸ガスの少ない飲みやすいエールになります。イギリスのパブで供されている伝統的な手法によるカスク・コンディション・エールをFifth Hammmerで楽しむことができます。Testerが$3で、20oz(591ml)グラスが$8と、同ブリュワリーで提供されている他のビールよりも同じ値段で量が多いのが嬉しいですね。

(写真 : Security Deposit – カスク・コンディション・エール。やや苦味がある伝統的なエール。イギリスのパブにいるみたいです。)

バンドの奏でる音楽を聴きながら、道ゆく人と歩道から見えるマンハッタンのビル群を眺めつつ飲むビールは最高です。Fifth Hammerのホームページではイベントやフードトラックのスケジュールも掲載しているので、バンド演奏のある日に行きたい方は事前にホームページよりCalendarの確認を。

(写真 : Midnight Sauce – コーヒー系のダークなフレーバーとりんごのようなフルーティーの掛け合いがGOOD)

Fifth Hammer Brewing Company
住所 10-28 46th Ave, Long Island City, New York, 11101
最寄り駅 地下鉄: E、M 「Court Square-23 St 」または  G、7「Court Square」下車 徒歩約7分
電話番号 (718)663-2084
ホームページ https://www.fifthhammerbrewing.com/

(2) Rockaway Brewing Company

Fifth Hammerと同じ46th Aveと5th Stの交差点、よりイーストリバー寄りにあるRockaway Brewing。壁面のアートがおしゃれで目を引きます。ニューヨークからほど近い、Rockaway Beachで創業し、サーフィンを楽しんだ後のビールとして親しまれてきました。ここLIC店は2012年にオープン。現在ではLICの施設にてすべての醸造作業を行なっているとのこと。

2021年10月現在、基本は屋外席のみで、建物の入口を入ったスペースにあるカウンターで、黒板に書かれたリストから注文します。

種類は10種類程度、Fifth Hammerほどは多くはないですが、お値段は少しお得で1Pint(473mil)カップが$7です。テスティングサイズがないのが残念ですが、質実剛健というか、エンタメ的な要素は無く、シンプルにビールに向き合い、友人やカップルでおしゃべりを楽しんだり、一人でもぼーっとリラックスして過ごせる場所だと思います。軽く1杯という点では、紹介している4つのブリュワリーで一番気軽にビールを楽しめる気がします。

(写真:Extra Special Brownie Ale – エールの程よい苦味とフルーティー加減のバランスが絶妙)

かの有名なペプシの看板がありマンハッタンを一望できるGantry Plaza Stateパークからも近く、先述のFifth Hammerから徒歩5分なので、イーストリバーサイド歩きやFifth Hammerとセットで訪れたいブリュワリーです。

 Rockaway Brewing Company
住所 46-01 5th St, Long Island City, New York, 11101
最寄り駅 地下鉄: 7「Vernon Boulevard-Jackson Avenue」下車 徒歩約8分
NYCフェリー: Wall Street/Pier 11 – Astoria Line「Long Island City」下船 徒歩約3分
電話番号 (718) 482-6528
ホームページ https://rockawaybrewco.com/

(3) ICONYC Brewing

2016年にNorthern Boulevardにて創業したころは小売販売のみでしたが、その後創業者であるSam、Bruno、Laszloの3人が小さい頃に遊んだ公園からほど近い、Astoriaの34th Aveにタップルームをオープンします。

そして2019年、ICONYCはビールの醸造ラインをLICに建設し、全てのオペレーションをLICに移転しました。タップルームの他に、屋根やテントのあるオープンスペース、屋外のビアガーデンエリアも備えています。

店内に入るとカウンターがあり、ビールリストがあるので、サイズを指定して注文します。5oz(147ml)から、10oz(295ml)、16oz(473ml)、64oz(約1.9L)のピッチャーまで、サイズのバリエーションが豊富なのが嬉しいです。テスティングなら5oz(値段$3〜)、大人数でわいわいビアガーデンで盛り上がるならピッチャーを選ぶなど、さまざまな用途に使えるお店です。

このブリュワリーの特色はフルーティな味わいのビールを多く取り揃えていることではないでしょうか。例えば筆者が訪問した時に注文した、Haney aleやPink Lemonade Goseのように、フルーツや蜂蜜のフレーバーが多く並んでいるので、テスティングで色々試したくなるブリュワリーです。

屋外のビアガーデンテーブルは開放的でピクニックのような気分が味わえるのがおすすめです。Fifth HammerやRockawayのある中心部からは少し離れますが、個性的なビールを広いスペースでゆっくり楽しめるブリュワリーです。大人数や家族での訪問にも対応可能です。

(写真: Homey ale – すごくマイルドなエール。名前通りうっすら蜂蜜の香りがしました。)

(写真: Pink Lemonade Gose – 酸っぱさがなぜか癖になる味。ほんとにうっすらピンク色)

ICONYC Brewing
住所 43-63 11th St, Long Island City, New York 11101
最寄り駅 地下鉄: E、M 「Court Square-23 St 」下車徒歩約6分
電話番号 N/A
ホームページ https://www.iconycbrewing.com/

(4) Big aLICe Brewing

まずはお店の名前の由来から。イーストリバーをLICから少し北に進んだところにある、赤と白でペイントされた大きな4本の煙突が目印のRavenswood発電所。クイーンズ地区の象徴的存在のこの発電設備は1963年に建設され世界で最も多くの電力を供給する発電所として認知されるようになります。

(写真 : Ravenswood発電所。右側に映るQueensboro Bridgeを超えた川の左側がLIC地区)

特に3つ目の発電機である「ユニット30」は、1965年にミルウォーキーに本社のあるAllis-Chalmersという会社により建設され、当時世界一の発電量を誇る発電機であったことから、地元の人たちからは「Big Allis」という愛称で呼ばれていました。

このクリーンズ地区のランドマークであるBig Allisへの敬愛と、Queens地区の歴史と成長、そしてロングアイランドシティー(LIC)との繋がり。それが店名に込められた思いだということです。

2013年から醸造を開始し、現在LICと、ブルックリン、フィンガーレイク(Geneva)にタップルームを構えます。またマサチューセッツ州やロードアイランド州にも通流網があるようです。

Big aLICe Brewingの創業者であるKyle HurstとScott Bergerは地域のCSA(Community Shared Agriculture)とのコネクションを持ち、地元NY州で生産された原材料を使用してビールを造ることを掲げ、NY州のFarm Breweryにも認定されています。このFarm Breweryライセンスを取得するには使用するホップの60%以上がNY州で生産されている必要があり、2024年からは基準が90%以上に引き上げられるそうです。

NY州の地産地消ビールを楽しめるBig aLICe。筆者が訪れた際は、建物の中にあるカウンターで注文し、屋外にあるハイ(樽)テーブルでビールを飲みました。このタップルームのもう一つの良いところはテスティングが気軽にできる、お得なFlightメニューにあること。4種($14)6種($20)から選べます。いろんなビールを飲み比べたい方には最適なブリュワリーです。(TAP LISTはこちら

(写真:手前がBlasked RED Ale。奥がNYS PILS、後者はなんと原料の100% がNY州産であるとのこと。ころんとした丸い可愛いグラスで提供されるのも嬉しい!)

1点だけ注意点ですが、このお店はLICの飲食店の多いエリアから少し離れた工場が立ち並ぶエリアにあるので、夜の一人歩きは避けるか十分気をつけましょう。

(写真 : Big aLICe Brewingのある通りの風景。透明のトタンで囲われた箇所が屋外スペース)

BIG aLICe Brewing 
住所 8-08 43rd Rd, Long Island City, New York 11101
最寄り駅 地下鉄: E、M 「Court Square-23 St 」下車徒歩約9分
電話番号 (347)688-2337
ホームページ https://www.bigalicebrewing.com/

ビールのおつまみに最適なテイクアウトメニューを提供するお店

紹介したブリュワリーは、基本的にフードの持ち込みには寛容です。というのも冒頭で触れた通り、ブリュワリーではほとんどフード提供はありません。空きっ腹にビールをがぶ飲みして酔いが回らないように、各自で事前に軽食をとったり、テイクアウトやスーパーを利用して調達したおつまみをブリュワリーに持ち込む等、ちょっとした計画で楽しいブリュワリー巡りができます。

特に(3)(4)のブリュワリーの近くはあまり飲食店がないので気をつけてください。

ロングアイランドシティーの中では、Jackson AveやVernon Blvdに飲食店が集中しているように思いますが、いくつかおすすめを紹介します。冒頭の簡易地図にも記載しています。

(5) Trader Joe’s

Court Square駅を利用されるなら、駅前にあるTrader Joe’sで、チーズ、クラッカー、サラミ、生ハム、ナッツ、スナック菓子などを調達して、ブリューワリーでおつまみにするものありです。お値段も他のスーパーより良心的なのが嬉しいです。

Trader Joe’s LIC店
住所 2243 Jackson Ave, Long Island City, NY 11101
最寄り駅 地下鉄: G、7「Court Square」下車 徒歩約1分
電話番号 (718)472-2672
ホームページ https://locations.traderjoes.com/ny/long-island-city/565/

(6) Yumpling

フードトラックから出発した台湾焼き餃子やフライドチキン丼のお店です。言うまでもなく焼き餃子とビールは黄金の組み合わせ。さらにピリ辛のソースでビールが進みます。個人的にもう少し皮が薄い方が好みですが、パクチー好きな私はパクチー+青ネギのトッピングも大変気に入りました。

(写真 : Pork YumplingとVeggie Yumplingのハーフ&ハーフ)

Yumpling
住所 49-11 Vernon Blvd, Long Island City, NY 11101
最寄り駅 地下鉄: 7「Vernon Boulevard-Jackson Avenue」下車 徒歩約1分
電話番号 (718)713-1839
ホームページ https://yumpling.com/

(7) KuKu Chicken

韓国風チキンの店。写真はWingの18pcsセットですが、ボリュームたっぷりです。(3名くらいでシェアできると思います。)ソースはガーリックソースと、スパイシーガーリックがあり、セットならハーフ&ハーフでのオーダーができます。パリっとした感触も残りつつ、にんにくの効いた美味しいソースがよく絡んでいて、レベルの高いコリアンチキンウィング。お勧めできます。

そしてサイドで注文したワッフルポテトフライ。これが意外なヒットで美味しかったです!
ソースはわさびクリームソースを選んだのですが、ワッフルポテトと相性がよく、これまたビールが進むのです!

筆者は大きなピクニックテーブルのあるICONYC Brewingに持ち込みました。ビールとコリアンチキンウィングの最高の組み合わせを楽しむことができ大満足でした。

オンラインオーダーをするなら、Kuku Chicken(お店)のHPからの方が、Grubhubなど外部業者経由に比べると、値段が安く設定されているようです。

Kuku Chicken
住所 1209 Jackson Ave, Long Island City, NY 11101
最寄り駅 地下鉄: G 「21 Street – Van Alst Station 」下車徒歩約2分
電話番号 (718)706-8888
ホームページ http://www.kukuchicken.com/

最後までお読みいただきありがとうございます。10月はオクトーバーフェストの時期ですし、本格的な冬が来る前に、LICでブリュワリー巡りをして、素敵な秋の休日を過ごすのはいかがでしょうか。

この記事が読者の方のニューヨーク散策の参考になれば幸いです。

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