ニューヨーク コーヒー豆探訪 2022/3月号「スィートリーフ・コーヒーロースター(SWEETLEAF Coffee Roasters)」

BEANS

今月のコーヒー豆のコーナーでは、ニューヨーク在住日本人ブロガーのSky(筆者)が、ニューヨークにあるロースターを中心に、毎月気になるコーヒー豆をピックアップ。ロースターの紹介とともに、実際にそれらの豆を購入し、自宅でドリップコーヒーを淹れ、味についての感想をお届けしていきます。

今月紹介するのはSWEETLEAF Coffee Roastersの「Colombia Rivier Quintero」です。

SWEETLEAF Coffee Roastersの紹介(HP参照)

SWEETLEAF Coffeeはニューヨーク市クイーンズ育ちのRich Nieto氏により2008年に設立されました。現在クイーンズのロングアイランドシティーに3店舗、ブルックリンのグリーンポイントに1店舗の合計4店舗を運営しています。グリーンポイント店ではコーヒー豆の焙煎やパッケージングも行われています。

(グリーンポイント店の屋外席:思い思いの休日の午後を過ごす人たち)

Nieto氏が目指したのは、ニューヨークの多様で、洗練された、確固たる独自性を反映したコーヒー豆を焙煎すること。素晴らしいコーヒーはただ単に消費するものではなく、経験であるという考えのもと、他にはない特出した経験を創造するため、絶えず実験と改良を重ねています。

「SWEETLEAF Coffeeは芸術科学のパーフェクトなブレンドである。」

芸術性:コーヒーは感覚を刺激し、味覚を呼び覚まします。卓越したコーヒーを作るため、さまざまなフレーバーをサンプリング、実験しています。またそれぞれのコーヒー豆に対して異なる焙煎方法を試し、体系的な飲み比べを行い、豆ごとに秀でた特徴を記録、理解し、複製できるようにしています。

人によって味の好みはさまざまですが、このようのようなダイナミックで風味豊かな製品を扱うことは、クリエイティブな可能性が無限に広がることを意味します。

科学:最高のコーヒーを追い求め、科学的なアプローチを取り入れています。これはコーヒーの一貫性を保つためで、データ、数学、体系的な生産プロセスなどを活用しています。

例をあげると、屈折計を使用して全蒸発残留物(TDS:水を蒸発させたときに残留する物質の全量)を計測、最適なエスプレッソが抽出できるプロファイルでエスプレッソマシンを調整、焙煎マトリクスを一元化してくれる高性能なソフトウェアを使用するなどしています。

これらの全ての科学的なアプローチを踏むことで、完璧なコーヒーを、毎回まったく同じ品質で届けることができます。

このようにクリエイティブな可能性と、科学に基づく規律の融合が、SWEETLEEF Coffeeを誕生させたのです。

(グリーンポイント店 店内の様子:レンガと天井のむき出しの梁が素敵です。)

Colombia Rivier Quintero

再び登場、コロンビア単一産地豆です。産地はSan Antonio, Inzaと記載されています。以下がInzaの場所です。2022年1月号でもコロンビア単一産地豆(Sierra Nevada地方産)を紹介しましたが、そことは離れたコロンビアでも別の産地です。

豆は標高1,800メートルの高地で栽培されています。この山の上からコーヒー豆を運んでくるのは、とっても大変だと思います。アメリカでこれらの豆を入手できること、それだけでも貴重で本当にありがたいですが、このコーヒー豆が何千マイルも旅した後、手の込んだ工程を経て、生のコーヒーチェリーが高品質の焙煎コーヒー豆に仕上がるのです。

納入されるコーヒー豆は、丁寧に摘み取られた後、果肉除去、ウォッシング、発酵、天日干しによる乾燥という工程を経ています。各工程においては厳格な品質管理が講じられているとのこと。

味のプロファイルは「ブラックベリー、赤りんご、トッフィー(お菓子)」とのこと。どうやらフルーティーな酸味が期待できそうです。さて試飲の結果はいかに?

(写真: 実際の豆)

コーヒーを飲んだ感想

黒い厚手の紙で作られたパッケージに入っており、開封する時にとてもワクワクします♪ 箱を開けると、ビニール梱包素材にコーヒー豆が入っています。(※パッケージに貼られている青色の丸いシールはドリップコーヒー向きの印。ちなみに黄色のシールはエスプレッソ向きとのことです。)

まずコーヒー豆の見た目の違いとして、豆が赤茶色に近い茶色をしています。

いつも通り筆者愛用のコーヒーミル「Breville Smart Grinder Pro」にコーヒー豆をセット。ドリップコーヒーに最適な中挽きにします。ドリッパーは最近定番となったHario V60を選択。(参照過去記事:筆者愛用のコーヒーミルドリッパーの違いについて)

酸味を楽しむため、お湯の温度は少し低めの88℃〜90℃くらいでゆっくりドリップします。

コーヒーを口に含むと、プロファイルにもある、りんごっぽい酸味が口一杯に広がります。苦味は全くありません。そして後口にベリーのような、かすかな甘さが残ります。

同じコロンビア豆でも2022年1月号に紹介したものはチョコレートのように苦味と甘みのバランスが良い豆でしたが、今回のColombia Rivier Quinteroは全く違う味で衝撃を受けました!おそらくウォッシュド加工を行っていることで、雑味が取り除かれ、クリーンで華やかな酸味が際立つコーヒーに仕上がっています。

ミディアムローストの中でも焙煎度合いは浅めの気がしますが、華やかさのあるフルーティーな酸味はインパクト十分で、モーニングコーヒーとして、また午後の少し眠い時間にも、1日中どのシーンでも使えると思います。

Sky満足度 ☆4.0 (5点中)  華やかな酸味が朝の気分を上げてくれます。フルーティーで酸味のあるコーヒーが好きな人におすすめです。筆者は酸味よりも甘味派ですが、なぜかこのコーヒーは飲むごとにだんだん好きになっていく、華やかさ、魅力があります。パッケージもすごくおしゃれで、あらゆる面で顧客に幸せな瞬間を提供するロースターだと感じました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。次回は5月となります。どうぞお楽しみに!

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