隔離不要になった日本に3年ぶりの帰国! ファストトラックでの日本入国体験【2022年5月時点】

OVERSEAS

コロナの影響で長らく日本に帰国できておらず、そろそろ帰国を検討されている米国在住の日本人の方にとって、日本に入国のための検疫上の各種手続きが最も懸念される事項かと思います。

本記事では筆者Skyが先日約3年ぶりに日本に帰国した際の、事前準備から、日本到着時の状況、米国行フライトに搭乗するまで、コロナ関連で実施した検疫関連の手続きや、ファストトラックを使用しての日本入国体験についてお伝えします。

本記事に掲載の情報は2022年5月時点の筆者の体験に基づくものであり、最終的な検疫関係の書類の受付可否を保証するものではありません。また報道でもあるとおり、2022年6月以降、日本の水際対策の見直しが検討されているとのことです。日米とも入国要件は刻々と変化していますので、必ずご自身の責任において最新情報を確認してください。

日本の水際対策厚生労働省
アメリカの入国要件CDC

また本記事執筆時点では、外国籍の方の日本新規入国には制限があり、観光目的での入国は認められていません。よってアメリカに滞在する日本人(大人)が日本に一時帰国したことを前提として本記事をお読みください

日本へ出発前の実施事項

(1) ワクチン接種回数による自宅待機期間の確認

2022年5月現在、アメリカに滞在する日本人は、ワクチンを3回接種していることが確認できる証明書を保持しており、日本到着後のコロナ検査で陰性であれば、自宅待機は求められません。

ワクチンを3回接種していることが確認できる証明書を保持していない場合、原則7日間の自宅等待機が必要ですが、入国後3日目以降に自主検査で陰性となり結果を届け出れば、その後の自宅等待機は求められません

2022年6月以降は待機期間や到着後の検査について、滞在国の陽性率やワクチン接種の有無により、さらなる要件の緩和が見込まれているようです。やっと日本帰国のハードルが低くなって来た感じです。

(2022年6月26日更新)2022年6月1日より「赤」「黄」「青」の3区分の国・地域ごとに入国時検査の有無、入国後の待機期間が設定されました。アメリカは「青」に指定されたため、ワクチン3回目接種の有無によらず、入国時検査の実施なし、入国後の自宅等待機も不要となりました。引き続き出発72時間以内の陰性証明取得は全員が必要です。(厚生労働省ホームページはこちら

そのうちワクチン証明さえ不要になる日が来そうですが、自宅待機の要否は入国後のスケジュール調整や航空券の手配に影響する事項なので、早めに確認しましょう。

(2) 出国前コロナ検査の予約と検査証明の取得

参考ウェブサイト(厚生労働省)

日本入国に当たっては、出国前72時間以内の陰性証明書の取得が必要です。

こちらも早めに計画を立てることが必要です。なぜなら、有効とされる検査を実施している検査機関の選定、結果判明までの時間を考慮してアポイントを取得しておく必要があります。

直前になって間違いや漏れに気づいた結果、特急扱いの検査しか選択肢がなくなると、検査料金が非常に高額になることが多いからです。

まず検査方法としてAntigen Test(抗原検査)、Rapid antigen(迅速抗原検査)、Antibody(抗体検査)は認められていないので、RT-PCR検査等が必要になります。

加えて検体採集方法はRT-PCR法の場合のみNasal Swab(鼻腔ぬぐい液)が認められており、それ以外はNasopharyngeal(鼻咽頭ぬぐい液)、Saliva(唾液)、またはNasopharyngeal and Oropharyngeal(鼻咽頭ぬぐい液と咽頭ぬぐい液の混合)のみが有効とされる検体採取方法なので、その点も注意が必要です。

ここで筆者が驚いたのは、検査証明書に「所定のフォーマット」があることです。ただし厚生労働省のホームページに以下の記載があります。

「所定のフォーマット」を使用することが困難な場合には、任意のフォーマットの提出も妨げられませんが、「検査証明書へ記載すべき内容」が満たされている必要があります。また、有効な検体検査方法等が記載された検査証明書のみ有効と取り扱います。

筆者がニューヨークを中心に、厚生労働省の所定のフォーマットを発行してくれる日系の医療・検査機関を探したところ、検査+証明書発行で、安いところでも$175くらいはかかりそうでした。これは庶民には痛い出費です。また家の近所にはそういった施設がないので、近所の検査機関の発行する証明書(任意のフォーマット)でトライすることにしました。

そこで所定のフォーマットに何が記載されているかを把握し、厚生労働省ホームペーシ(検査証明についてQ&A)も熟読の上、検査機関を選定。

それでも実際に送付されてくる証明書に「検査証明書へ記載すべき内容」が満たされているか不安だったので、証明書に不備があった場合でもリカバリーできるよう、検査結果は比較的早めに入手したいと思いました。

検査後48時間以内に結果が判明するRT-PCR検査は、健康保険で無料となるところが多いようですが、結果判明まで48時間マックスかかった場合、リカバリーに必要な十分な時間がないと思い、少しだけ追加料金を払ってお急ぎ対応にしました。

それでも日系医療・検査期間の3分の1程度の費用で済みました。

結果として検体採取した翌日の朝、検査機関から検査証明書がメールで送られて来ました。そこには最低限記載すべき内容は網羅されていたので、一安心したのですが、それでもやや不安が残ります。

そこで便利なのが、事前に検疫手続きの登録ができるMySOSアプリを通じたファストトラックシステムです。次の項目で説明します。

(参考:筆者の検査証明書)

(3) MySOS(入国者健康居所確認アプリ)のダウンロード、検疫手続きの事前実施(ファストトラック)

参考ウェブサイト(厚生労働省)

ファストトラックは成田国際空港、羽田空港、中部国際空港、関西国際空港または福岡空港から入国する場合使用可能。

MySOSというアプリを通じて空港検疫で実施している手続きの一部を事前にアプリ上で済ますことができます。その名もファストトラック。これはとっても便利な機能だと思いました!

まずMySOSアプリをダウンロードします。(URLはこちら)。

日本入国前に検疫手続きの一部をアプリで行うことが可能です。こちらの機能を利用しますか。」というメッセージが表示されたら「はい」を選択します。

筆者はその時誤って「いいえ」を選んでしまい、事前審査のボタンが表示されないという状況になりました。この場合は、アプリを一度削除して、再度ダウンロードする必要があります。

【MySOSアプリにて入国前に実施が可能な検疫手続】
① 質問票の記入
② 誓約書の記入
③ ワクチン接種証明書の有効性の確認
④ 出国前72時間以内の検査証明書の有効性の確認

MySOSアプリはいつでもダウンロードでき、搭乗便到着予定日時の6時間前までに申請していれば、入国までに審査が完了するようです。

筆者はまず①〜③を出発4日前までに完了させ、検査証明が取得できた出発約50時間前に④アップロードして、アプリ上で有効性の確認を受けました。アメリカの日中(日本の夜中)でもレビューしてくれているようで割とすぐに結果が判明します。感動!出発2日前には④までの審査が完了。

するとアプリの画面が「緑」に。画面はもともと赤ですが、確認状況応じて「赤」→「黄」→ 「緑」と色が変わっていきます。色分けするのはなかなか良いアイデアだと思います。

出発2日前には証明書等の有効性が確認できたので、非常に心強かったです。待ちに待った日本への帰国、出発当日の航空会社のカウンターで「しまった!」となりたくないですよね。

日本はこういうデジタル化への対応は遅れ気味かと思っていましたが、このアプリには感激でした。

(参考:筆者の登録完了時のMySOSスクリーンショット)

あとはワクチン証明の現物、念の為プリントアウトした検査証明書も手元に準備して完了です!(自宅での待機期間が想定される方は、MySOSアプリに加え、スマートフォンの位置情報の設定、COCOAのアプリのインストールを入国前に完了させる必要があります。)

出発時の航空会社カウンターではMySOS(緑)画面を提示し、ファストトラックの審査が終わっていることを伝えました。

スタッフの方がアプリに登録しているパスポート番号などを確認されているようでしたが、ワクチン証明や検査結果の現物提示は求められませんでした。ファストトラックのおかげで非常にスムーズでした。

補足ですが、各種書類の準備に加えて、機内にスマホの充電ケーブルを持ち込むのをお忘れなく。到着してからもスマートフォン上でMySOSを提示することが多いので、日本到着前にスマホは十分に充電しておく必要があります。

日本到着時の実施事項

(2022年6月26日更新)2022年6月1日より「赤」「黄」「青」の3区分の国・地域ごとに入国時検査の有無、入国後の待機期間が設定されました。アメリカは「青」に指定されたため、ワクチン3回目接種の有無によらず、入国時検査の実施なし、入国後の自宅等待機も不要となりました。
従ってこれ以降の到着時のコロナ検査は筆者の体験談としてお読みください。

さあ、長旅の末、羽田空港に着陸しました。時間は19:00頃でしたが、検疫からの指示により少し機内で待機してから降機できました。この時点で既にぐったりです。

到着時にコロナ検査がありますが、すぐに検査というわけではなかったです。まずは到着階をひたすら歩いて、サテライト部分に誘導されます。

そこで、MySOSアプリの事前申請画面(緑)をスタッフの方がチェック。ファストトラックの申請状況の確認や滞在国など基本的な情報を確認されているようでした。証明書等の現物の提示は不要でした。またチェックリストのような用紙を受け取ります。

次のチェックポイントへ。以前は出発ロビーとして使用されていたフロアに上がり、コロナ検査用の番号書かれたラベルを登録し、唾液収集容器を受け取りました。

そして選挙会場のような個々に仕切られたブースがあるエリアに移り、自分で唾液を採取します。長旅で疲れた体から唾液を一定量採取するのは結構大変でした。自分で容器に蓋をして提出。

また少し歩いて、次はアプリのインストール状況を確認するチェックポイントです。筆者は自宅待機が想定されないパターンだったので、Cocoaは確認されませんでした。スタッフが一人一人対応してくれます。日本って本当に丁寧な国だなぁと思いました。

そしてやっと検査結果待つ待合所に移動します。ここまで来てやっと利用可能なお手洗いを目視確認しました。知人から聞いていた「指定のパイプ椅子に座る」という指示はありませんでした(笑)

結果が判明するとモニターに検査ラベルの番号が表示されていきます。待合所はかなり混雑していて、私の番号が表示されたのが、着陸して2時間40分後でした。

自分の番号がモニターに表示されたら結果確認のため、スタッフのいるブース(最終チェックポイント)に並びます。そこで「結果は陰性」と伝えられ、筆者の場合、この後の自宅待機は不要であること告げられます。

そしてやっとピンク色の「検疫」の用紙をもらい、入国審査場に進むことができました。かれこれ1kmくらい空港を歩いたかもしれません。

(参考:全ての確認が終わり手渡されたピンクの「検疫」の用紙。やったー。)

これは筆者の感想ですが、ファストトラックの申請が終わっているからといって、入国審査場に特別早く進めるというメリットはそれほどありません

立ち寄らなくてはならない有人チェックポイントが多く、他の旅客も恐らく大多数がファストトラック実施しているからです。

せっかく電子申請しているので、有人による確認を減らせればもっと良いのかと思いました。

2022年6月以降、日本到着時の検査対象となる旅客がだいぶ緩和されるとのことです。確かに、今後入国制限が緩和され入国可能人数が増えれば、到着客全員の検査は現実的に難しいと感じました。

とにかく陰性だったことで、日本での滞在時間をフルに楽しむことができる〜と一安心しました。実家は東海圏なので当日は羽田空港に近い蒲田駅周辺に予約していたホテルに直行しました。

ニューヨークの自宅を出てから、かれこれ22時間半かけて、無事にホテルにチェックインしました。

日本から米国へ出発前の実施事項

さて、楽しかった日本滞在も終わりに近づいてくると、今度はアメリカへ戻るための必要な手続きを進めなくてはなりません。

(1) 出国前コロナ検査の予約と検査証明の取得

参考ウェブサイト(CDC)

(2022年6月26日更新)2022年6月12日以降、アメリカへ飛行機で入国する場合、コロナ検査の陰性証明の提出は不要になりました。非アメリカ市民、非永住者の方は引き続き有効なワクチン証明の提示が必要です。

2022年5月現在、アメリカに飛行機で入国する場合、出発1日前以降に実施したコロナ検査の陰性結果を航空会社に提示することが必要です。(加えて非アメリカ市民、非永住者は有効なワクチン証明も必要)

アメリカの検査の要件はNAAT(PCR等)だけでなく、Antigenテストも有効とみなされるため、比較的安価に受けられるAntigenテストを日本出発の1日前となる日の朝に予約しました。

結果はすぐに判明し無事陰性の結果を得ました。

(2) 航空会社の事前渡航書類確認サイトに書類をアップロード

各エアラインでは、各国に渡航するのに必要な書類(コロナ関連含む)の事前確認手続きをオンラインで行えるところも増えました。すごく便利な世の中になりましたね!

筆者はANAを利用したので、Travel Readyのサイトから、発行されたばかりの陰性証明をパスポートやグリーンカードの情報とともにアップロード。約20分後にはメールで申請完了の通知が届きました。当日チェックインカウンターにて宣誓書の提出お客様情報の提供が必要であるとの記載されていました。

このように事前に航空会社よって各種証明書の有効性を確認してもらえるので、出発前の安心感にも繋がりますし、カウンターでの確認の時間も短縮できるので、顧客にとっても航空会社にとってもストレスが減り素晴らしいサービスだと感じました。使わない手はありません。

他航空会社でも類似サービスを提供しているようなので、ご参考までに以下に紹介しておきます。中にはこれらのサービスを利用し、事前書類の登録が済んでいる旅客専用のカウンター設置もあるようです。

JAL : VeriFLY アプリのダウンロード要 日本発路線限定 (詳しくはこちら
American : アメリカ行きはアメリカン航空のアプリ内、「Get ready to fly(旅行準備完了)」のバナーから、または日本発の場合VeriFLYも利用できるようです。 どちらもアプリのダウンロード要(詳しくはこちらの「Manage COVID-19 travel documents」参照)
United : Travel Ready Center(詳しくはこちら
Delta : Delta FlyReady (詳しくはこちら

(3) 宣誓書と連絡先情報の記入

あとは出発当日に航空会社のカウンターで提出する宣誓書を準備します。筆者は事前にCDCのウェブサイトからプリントアウトし、署名をした状態で持参しましたが、忘れてしまった場合も航空会社のカウンターに準備がありそうでした。

連絡先情報については、CDCウェブサイト上に提出が必要な情報に関する案内はあるものの、共通のフォーマットは無いようで、各航空会社の準備する書式に記入する形のようです。

これについてはANA Travel Readyの審査完了メール内にPDFリンクの添付があったものの、見逃してしまっており、当日のチェックインカウンターで手渡された用紙に記入しました。

出発当日は、航空会社のチェックインカウンターへ時間に余裕を持って向かいましょう。筆者も通常時よりも1時間ほど早めに到着するようにしました。

国際線の旅客数はまだまだ回復途上だと思われますが、オンラインチェックインや自動チェックイン機の使用も制限されているようで、書類確認のためカウンターへ立ち寄る旅客で混雑していました。

余談ですが、アメリカ到着時は検疫上の確認は一切なく、コロナ前と一緒です(笑)。以前タークス&カイコス諸島を訪れた時(過去記事はこちら)もそうだったので予想はしていましたが、日本との違いに笑ってしまいます。

まとめ

コロナ禍で3年ほど日本に帰っていなかったので、日本で暮らす両親や親族、友人の顔を見たく、いつまでも待っていられないと、今回の帰国を決めました。

検疫関連の手続きは煩雑になることを覚悟していましたが、事前のリサーチとテクノロジーを活用することで、旅行自体は本当にスムーズで、一度も「ひやっ」とする場面がなかったです。

一瞬登録が面倒だと思っても、MySOSや航空会社の事前のオンラインの申請など、活用しない手はないと思います。これで出発当日はだいぶ時間が節約できましたし、何より不安が軽減されました。

2022年6月以降、日本では更なる水際対策の緩和が見込まれており、いつか本記事の情報も有用でなくなる日が来るでしょう。

それでも早くコロナ検査なしで、誰もが気軽に海外旅行が出来る日が来ますように。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました