ニューヨーク ブロンクスの『リアル』なリトル・イタリーで食べ歩き。絶対訪問したい有名店<マップ付>

FOOD

ニューヨークの魅力の一つが、移民街が随所にあり、そこに行けば本格的な各国料理が楽しめること。代表的なものとして、イタリア系移民が多く住むマンハッタンのリトル・イタリーが有名ですが、雰囲気もお値段もやや観光地化しており、日常使いという感じではないのが実情です。

そこで今回紹介するのが、ブロンクスのオーサーアベニュー周辺のベルモント地区(Belmont, Bronx)にあるリトル・イタリーです。こちらは家庭の台所向けの日常使いできるお店がたくさんあり、より人々の生活に密着したリトル・イタリーです。

ニューヨーク植物園(New York Botanical Garden:過去の訪問記事はこちら)や、ブロンクス動物園(Bronx Zoo)の近くにありますが、ニューヨーカーでも知らない人が多いとか。筆者もニューヨークに越してきてからその存在を知りました。

19世紀の末から20世紀初頭に、ベルモント地区の開発のため多くのイタリア移民がやってきたのが始まりで、今でも本場の食材を提供するお店が密集しており、ショッピングや散歩をするもにとても楽しい場所です。

ただ、なかなかブロンクスに行く機会がない方は、以下の疑問を感じたのではないでしょうか?

-行き方は?治安は大丈夫?
-どんなお店がある?
-わざわざ時間をかけてブロンクスまで行く価値はある?

筆者もその一人でした。そこで今回筆者が初めてブロンクスのリトル・イタリーを訪れた感想とともに、絶対訪問したい有名店をマップとともにお届けします。植物園・動物園訪問のついでにも立ち寄るも良し、訪問を検討中の方の参考となれば幸いです。

ブロンクスのリトル・イタリーへの行き方と治安面

行き方

最寄り駅はMetro-North鉄道のHarlem線, New Haven線が停車する「Fordham」駅。マンハッタンのグランドセントラル駅から約18分で到着し、速さと便利さで選ぶならこちら

ただし、Metro-North利用には運賃がかかり、オフピーク時のお得なチケットを利用しても、Metro-Northだけで片道$5かかります。(オフピークチケット「City Ticket」については過去記事参照)
これにMTA(地下鉄)も組み合わせると往復で$15.5となります。

次に近い駅はMTA(地下鉄)B,D線の停車する「Fordham Rd」駅。こちらマンハッタンのミッドタウン42th St-Bryant Parkから乗車した場合、約31分で到着します。MTAのどこから乗車しても片道$2.75(往復$5.5)なので、コスパは良いですが、所要時間と歩く距離は長めとなります。

今回、筆者は節約と取材を兼ねて「Fordham Rd」駅を利用しました。

治安

「Fordham Rd」駅構内の印象は、筆者のようにリトル・イタリーを訪問しようとしている人や、フォーダム大学の学生風の若者などが多く見られ、それほど怖いとは感じなかったです。もちろんどの地下鉄駅でも同じですが、利用客の少なくなる時間帯は注意が必要だと思います。

「Fordham Rd」駅から、リトル・イタリーの中心、オーサーアベニュー(Arthur Ave.)までは徒歩で約15分です。E 188th St→E 187th Stのルートを歩きましたが、周囲は南米系?の移民街のようで異国にいる感覚に。。

大きな通りを歩く分には特に怖い思いはしませんでしたが、脇道や人目に付きにくい場所には足を伸ばさない方が良い印象を受けました。駅で降りたら地図のナビを活用しながら真っ直ぐにリトルイタリーに向かいましょう。

リトル・イタリーに着くと、歩く人々もショッピングや食事を楽しんでおり、賑やかで、安全な雰囲気でした。ただしE 187th St – Arthur Ave – Cresent Aveに囲まれたトライアングル(次項のマップ参照)からはあまり外に出ない方が良いと感じました。

<筆者の歩いたルート>

訪問したい有名店リストとMAP

筆者お手製の地図に記載した番号順にご紹介します。

①Casa Della Mozzarella
②Joe’s Italian Deli
③Borgatti’s Ravioli & Egg Noodles
④Teitel Brothers
⑤Arthur Avenue Retail Market
⑥Madonia Brothers Bakery
⑦Vincent’s Meat Market
⑧Calabria Pork Store
⑨Cosenza’s Fish Market
⑩Randazzo’s Seafood
⑪Cerini Coffee & Gifts
⑫Enzo’s
⑬Dominick’s
⑭Gino’s Pastry Shop

※上記以外にも沢山のお店がこのトライアングル地帯にはあります。

①Casa Della Mozzarella

有名デリ。店名どおり自家製モッツァレラチーズを始めとするチーズ類、パニーニ、サンドイッチ、お惣菜、ハム、その他の食料品などを販売しています。

店内はもともと狭い上に、人気店で客も多いので、身動き取るのが難しいです。床に「ここで待つよう」シールが貼られています(上の写真で緑のワンピースの女性の位置)。順番に呼ばれるので、カウンター越しに注文します。

番号札なども無かったので、列に並んで待つしかなく、事前にショーケースの商品を見ることが難しいので、ある程度注文は決めておくと良いと思います。メニューの公式リンク先は見つけられないですが、同店のFace Bookインスタグラムを参照できます。

やはりこちらではモッツァレラなどのチーズを試してみるべきなのと、トマト、バジル、モッツァレラの鉄板カプレーゼサラダも美味しそうでした。

商品を受けており、手渡された伝票を持って一番奥のキャッシャーに移動しお会計をします。

筆者はこちらで輸入物Prosciutto(プロシュート)と、Boccocini(ボッコンチーニ:ひと口サイズのモッツァレラチーズ)を購入しました。

(プロシュートは超薄切りで、繊細ながらもっちりとした食感!口の中に強い旨味が広がりすぐ溶ける。美味しかった〜。ボッコンチーニはとにかくフレッシュで意外に歯ごたえがしっかりありました。プロシュートで巻いて食べるとこれまた絶品!)

②Joe’s Italian Deli

リトル・イタリーにあるたくさんのデリの中でもYelp、Google評価が一番高かったので、こちらでランチとしてサンドイッチを購入し、店内のイートインスペースで食べることに。

メニューはこちら

注文したのは「The Italian Combo」だったと思います。ハム、モッツァレラ、ローストされた赤ピーマンなど、シンプルな食材で作られたサンドイッチですが、モッツァレラチーズの味を堪能できるサンドイイッチでした。

すでにプロシュートとボッコンチーニの前菜を食べた後だったので、夫とシェアしても、十分お腹いっぱいに。

ここでは店主がモッツァレラチーズを試食させてくれたのですが、激ウマでした!①のCasa Della Mozzarellaでチーズを購入後だったので、今回は買わなかったのですが、次回はここで買うと決めました。おすすめです。

(店内のカウンターの様子。ハム、チーズ、サンドイッチ注文窓口が整然と並ぶ。店内は広々としていて頼みやすい。手前にイートインスペース有り。)

③Borgatti’s Ravioli & Egg Noodles

生パスタと自家製ラビオリのお店。このお店をお目当てにリトル・イタリーを訪れる人も多いようです。

こんな有名店なのに写真取り忘れました(すみません汗)。ホームページはこちら

ラビオリは小サイズと大サイズがあり、大サイズはホームページでは27片入り1箱が$25になっています。

生パスタは一般的なものから、ほうれん草のグリーンのもの、イカ墨の黒いものまで、味も形もバリエーションがあります。

生パスタがあれば、普通のパスタソースでもレストランのようなパスタが自宅で楽しめるので、筆者は大好きでなのですが、今回は事情により自宅のキッチンが使えないので購入せず。次回の楽しみにとっておきます。

④Teitel Brothers

デリと食品販売が半々くらいの、どちらかといえばスーパーに近いお店。お店を入るとオリーブの量り売り、奥にはデリ・惣菜部門。さらに奥に食品が並びます。非常に狭い店内ですが、それがさらにレトロ感・雑多感を増して良い感じ。見ているだけで楽しい。

ホームページはこちら

⑤Arthur Avenue Retail Market

各種食品小売店が一つ屋根の下に集まった市場のような場所。肉、野菜、デリ、食料品店に加え、バーやEnzo’sレストランの支店があります。

もう少し賑わっているかと想像していましたが、意外に閑散として、少し寂しい感じでした。やや拍子抜け。

こちら入っているデリ「Mike’s Deli」も有名です。

⑥Madonia Brothers Bakery

本場のパン屋さん。通りに面したショーケースにはパンが美しく並べられていおり、目をひきます。店内はビスコッティやイタリアの定番デザートであるカンノーリが並んでいます。

ホームページはこちら

⑦Vincent’s Meat Market

牛、豚、鳥、その他の動物のお肉も扱うお肉屋さん。アメリカでは珍しい内臓系の希少部位も置いてあり本格的です。またお値段もニューヨークにしては良心的で一般庶民の台所を日々支えている感じが伝わってきます。

ホームページはこちら

⑧Calabria Pork Store

乾燥ソーセージやサラミ、ハムなど食肉製品に特化したお店。お店に入ると天井から吊るされた無数の乾燥ソーセージと、それらの発酵過程で出る独特の匂いがお出迎え!圧倒されます。その名も「ソーセージシャンデリア」

ソーセージはもちろん、チーズやオリーブも買うことができ、このお店だけでワインのおつまみが揃います!こんなお店が家の近くにあったら逆に危険。

本記事のサムネイルに使った写真もこのお店のもの。

ホームページはこちら

⑨Cosenza’s Fish Market

こちらはお魚、シーフードのお店。写真を見てお分かりのとおり、店頭のオイスターバーとクラム(貝)バーでは、その場でさばいてもらった牡蠣、貝を食べることができます

お腹いっぱいだったので、今回はトライしませんでしたが、前菜としてここで生牡蠣や生貝を引っ掛けて、食べ歩きをスタートしても良いかもしれません。生ものなので、各自のご判断でお願いします。

⑩Randazzo’s Seafood

⑨のCosenza’s Fish Marketと同様、お魚、シーフードのお店で、こちらでも店頭で生牡蠣や生貝を食べることができます

ホームページはこちら

⑪Cerini Coffee & Gifts

コーヒー豆、エスプレッソマシンの販売・修理、キッチン用品、イタリア食品、お土産物と、お店はなんでも屋さんみたいな雰囲気です。お店には沢山のメンテナンス中のエスプレッソマシンが置かれていました。エスプレッソ好きのイタリアン人から支持されているんだろうなと思わせるお店。

ホームページはこちら

イタリアから輸入されたジュースのパッケージはとても可愛いく見ているだけで楽しい。

有名なシシリアーナのレモンサイダー6本入パックを自宅用に購入。

⑫Enzo’s

今回はデリで買ったお惣菜でお腹いっぱいになり、レストランには入りませんでしたが、こちらのEnzo’s of Arthur Avenueは、リトル・イタリーの有名イタリア料理店のひとつ。お店の造りや雰囲気がとても良く、外から見る限りではとても賑わっていました。

定番イタリアンに加え、薄生地のパリッとしたピザもお手頃で人気のようです。

⑬Dominick’s

Enzo’sのすぐ近くにあるカジュアルな庶民派レストラン。メニューはあるものの、サーバーが提示してくれる「本日のおすすめ」を見て注文を決める人が多いらしく、お料理も大皿で沢山の人とのシェアして楽しむのが良さそうです。時には大きなテーブルで相席になることもあるとのこと。

ベイクドクラムや、アーティチョークの肉詰め、イカのトマトソースリングイネパスタは、色々なレビューで触れられていたので、次回訪問時はぜひ試してみたいと思います。Facebookページはこちら

支払いは現金のみ

その他レストランでは、Mario’sZero Otto Noveもオーサーアベニュー沿いで有名です。

⑭Gino’s Pastry Shop

こちらは洋菓子の専門店人気はイタリア名物菓子のカンノーリ。カンノーリは筒状に焼き上げた生地の空洞部にクリームが入ったお菓子なのですが、このお店では、注文してからクリームを入れてくるとのこと。

大抵のお店はすでにクリーム入りの状態でショーケースに並んでいるのを考えると、これは嬉しいサービスです。

Facebookページはこちら

                      (別のお店ではありますが、カンノーリの写真)

アメリカに来たすぐに食べたカンノーリは甘くてひと口で十分だったのですが、最近慣れてきたのかどんどん好きになってきました(危険)。今回はお腹いっぱいでパスしたのですが、次回は購入したいです。

まとめ

わざわざ時間とお金をかけてブロンクスまで行く価値はある?と問われると、答えはYesだと思いました。

それは筆者がイタリア料理、特に生ハム、チーズ、パスタ、トマト、オリーブ、バジルなどイタリア食材が好きなこともありますし、それらを一箇所でまとめて買えるのは筆者にとってまさに天国だからです。イタリア食のテーマパークに来た気分です。

お値段も割と良心的で店員さんは気前よく試食を勧めてくれ、会話も楽しいです。有名店リストとMAPを作ってはみましたが、そちらは参考程度に、特に行き先決めず、気になった店に立ち寄り、気になった食べ物を試してみてください。

ただし、必ずお腹を空かせて向かってください!もちろん筆者もお腹を空かせていきましたが、満腹で購入を諦めた商品多数。

メモですが、私が現地に持っていけば良かったなぁと思ったのが、プロシュート用のオリーブオイル(笑)そのままのプロシュートも美味しいのですが、バージンオリーブオイルにつけると倍美味しい♡  我が家ではPartannaのオリーブオイルを愛用しています。

あと冷蔵食材を買い込むなら保冷剤つき買い物バックをお忘れなく。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。読者の皆さんもぜひ一度このディープで庶民的で「リアル」なリトル・イタリーで、グルメショッピングをお試し下さい。ニューヨークの新たな魅力を再発見できると思います。

タイトルとURLをコピーしました