ニューヨーク コーヒー豆探訪 2021/8月号 「パートナーズ・コーヒーロースター(Partners COFFEE ROASTERS)」

BEANS

「今月のコーヒー豆」のコーナーでは、ニューヨーク在住日本人ブロガーのSky(筆者)が、ニューヨークにあるロースターを中心に、毎月気になるコーヒー豆をピックアップ。ロースターの紹介とともに、実際にそれらの豆を購入し、自宅でドリップコーヒーを淹れ、味についての感想をお届けしていきます。

今月はPartners COFFEE ROASTERSMANHATTANを紹介します。

Partners COFFEE の紹介(HP参照)

品質の高いコーヒー豆を調達し焙煎することを固く誓い、2012年、Partners COFFEE(パートナーズコーヒー)は創業されました。ウィリアムズバーグ(ブルックリン)、ロングアイランドシティー、そしてマンハッタンに3店舗の計5店舗を展開しています。(2022年2月現在)

またニューヨーク近郊では、パートナーズコーヒーのコーヒー豆を使っているカフェもよく見かけます。

以下はOur Storyに記載されている一文の抄訳です。

創業以来、農家、生産者、バリスタ、焙煎所、企業、そして顧客とのパートナーシップにより、パートナーズコーヒーの成長が支えられ、コーヒーにまつわる文化や体験を育むことができたのです。今日のパートナーズコーヒーが最高なのは、ひとえに関係する人々のパートナーシップの集積によるものです。

パートーナーズコーヒーというお店の名前は、ステークホルダーとの関係性(パートナーシップ)を大切にしたいという企業姿勢を表しているのでしょう。

サステナビリティにも力を注いでいるようです。コーヒー豆の調達においては、彼らが信頼できる生産者を選び、半年分という長いレンジの発注を行うことで、生産者の経済的安定性を高め、持続可能なサプライチェーンを築くことを目指していいます。

この発注形式によって、生産者の生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を高めるとともに、原産地コミュニティへの投資を促進し、学校設備を向上させるなど、コミュニティーの次世代の利益につながるプロジェクトも展開しています。

ホームページのコーヒー豆購入ページには産地や生産者の名前が記されていて、道の駅で生産者の名前入り野菜を買う感覚と同じような、安心感があります。

また焙煎の過程(焙煎、梱包、配送)に付随する物品の再利用・リサイクルを追求し、1回きりの使用(使い捨て)を出来る限り避けることを目指しています。一例として、焙煎後の副産物として発生する、いわゆるもみ殻(Chaff: コーヒー豆を保護する役割をしている表皮の部分)は、高い栄養素を含んでおり良質な肥料となるので、地域の農家に寄付しているそうです。

商品のコーヒー豆を梱包しているパッケージも、廃棄ゼロの製造チェーンの一部。使用済みパッケージは、パートナーズコーヒー店舗にてひとまとめにし、製造業者に返送しています。その後殺菌などの工程を得て、わずかな使用エネルギーで、新しいパッケージに生まれ変わります。商品パッケージには「店舗に使用済パッケージを持ってきてくれれば、あとは我々が対応します。」とのこと。

その品質もさることながら、生産者や環境に優しい商品だと自信を持って購入できるコーヒー豆を提供するパートナーズコーヒー。サスティナビリティを大切にする企業理念には非常に共感できるものがあります。

(写真: パートナーズコーヒー ロングアイランドシティー店)

MANHATTAN

パートナーズコーヒーの中でも、一番のダークロースト(深煎り)で、水出しコーヒー(コールドブリュー)に最適なブレンドとのこと。ダークチョコレート、マジパン、糖蜜シロップのような風味を持つ、フルボディでリッチな味わいが特徴。

ブラジルのCarmo de MinasとグアテマラのSanta Rosaで育った豆が使われており、ウォッシュドとナチュラルプロセスが用いられています。

風味の特徴としてラベルに記載されているのは「Baker’s社のチョコレート」「カラメル」「メープルシロップ」。先月の2021年7月のコーヒー豆で取り上げたGregorys CoffeeのGregs Everyday’s Blendのように、甘みのあるブレンドの予感です。

もちろんオンラインで購入することができ、在庫品から発送するのではなく、注文を受けてから焙煎しているとHPには記載されています。

(写真: 実際の豆)

コーヒーを飲んだ感想

豆は中細挽きにし、今回は円すい系のドリッパーHario V60を使用して、ハンドドリップコーヒーを淹れました。(参照:ドリッパーの違いについての過去記事はこちら

パートナーズコーヒー1番の深煎り豆ということで、一口目に苦味が来ることを予想したのですが、いい意味でその予想は外れました。円すい系ドリッパーを使用したことによって、苦味が抑えられた面もあると思いますが、まずダークチョコレートと糖蜜のような甘みが現れ、そのすぐ後に、適度な苦味のノートがやってきました。しかしはじめの甘みを打ち消すほど強い苦味ではなく、角のないまろやかな苦味なのです!全体を通じてまろやかな後口で、思わず、そして何度も「美味しい♪」とうなりました(笑)

甘みと苦味がどちらも過度に主張せず最高のバランスで支え合っていて、フルボディの重厚感も味わえるので、モーニングコーヒーとしても、午後の眠い時間のコーヒーとしても最適だと思います。私の中でリピート確定のブレンドです。

パートナーズコーヒーの看板ブレンドの「Brooklyn」もお店で飲んだことがあるのですが、私はBrooklynよりも、このMANHATTANブレンドがお気に入りになりました。

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読んでいただきありがとうございます。次回9月のコーヒー豆をお楽しみに!

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