ニューヨーク コーヒー豆探訪 2022/2月号「オスロ・コーヒーロースター(OSLO Coffee Roasters)」

BEANS

今月のコーヒー豆のコーナーでは、ニューヨーク在住日本人ブロガーのSky(筆者)が、ニューヨークにあるロースターを中心に、毎月気になるコーヒー豆をピックアップ。ロースターの紹介とともに、実際にそれらの豆を購入し、自宅でドリップコーヒーを淹れ、味についての感想をお届けしていきます。

今月紹介するのはOSLO Coffee Roastersの「Thor House Blend」です。

OSLO Coffee Roastersの紹介(HP参照)

JDとKathyのMerget夫妻がブルックリンのウィリアムズバーグ(Williamsburg)に2003年にオープン。その頃のウィリアムズバーグはまだ今のような若者に人気のヒップなエリアではなく、ロースターもOSLO Coffeeの他に数えるほどしかなかったようです。現在のブルックリンはロースターが乱立しているので、この20年での大きな変化に驚きます。

創業時、Merget夫妻は近所の人々に地域で一番美味しいコーヒーを届けたいという純粋な気持ちでコーヒービジネスを始めました。しかし今では、彼らが信頼を寄せるProbat社のロースターで焙煎するOSLOオリジナルコーヒーは、ニューヨーク最高のコーヒーと言われるまでに成長しました。

現在、ウィリアムズバーグに2店舗(133 Roebling St. & 328 Bedford Ave. )、アッパーイーストサイドのヨークビルに1店舗(422 E. 75th St.)、ウエストビレッジに1店舗(236 W 10th St.)、ハドソンヤードに1店舗(620 W 42nd St.)の、計5店鋪のカフェをニューヨークに展開しています。おしゃれ&先端エリアをしっかり押さています!

OSLO Coffeeの使命は、関わった全ての人にポジティブな経験を提供すること。顧客には最高のコーヒーを、従業員には最高の労働環境・トレーニング・サポートを、そして地域への貢献。

小規模な家族経営とのことで、私が訪れたウエストビレッジの店鋪も、こじんまりとしてとてもキュートな店構えでした。店内に着席できるテーブルはないのですが、次から次にニューヨーカーたちがコーヒーをテイクアウトしていきました。店員さんもウエルカムな雰囲気で、アットホームな印象を持ちました。これぞ地域に根ざしたコーヒーショップという感じです。

Thor House Blend

まず気になったのが「Thor」の単語の意味。筆者には馴染みのない単語だったので、調べてみました。Thor(トール、英語発音:ソー)とは北欧神話の神の名前のようです。確かに他のコーヒー豆の商品名を見てみると、ダークローストの「Freya」、エスプレッソの「Odin」もすべて北欧神話の神の名前で揃えています。店名もOSLOなので北欧がお店のテーマの一つとなっているようです。

これまで紹介したニューヨークのロースターの多分に漏れず、OSLOコーヒーもまた、生態学的にも社会的にも持続可能な方法でコーヒー豆を育てている生産者からコーヒー豆を調達しているとのこと。健全な生態系の維持と、生産者の元で働く人々にとってフェアな生活レベルを提供するためです。

少量バッチの焙煎で鮮度にもこだわっているようで、筆者が購入したコーヒー豆は訪問5日前に焙煎されたものでした!

ブレンドの構成はコロンビアニカラグアウガンダ先月号で取り上げたコロンビアは大好きで良く飲みますが、それ以外はあまり馴染みがなく、特に南アフリカのウガンダ産豆は殆ど飲んだことないので、どんなブレンドなのか興味が深まります。

           (ウガンダの場所)

味のプロファイルは「ビタースィートチョコレートプラム粗糖」と紹介されています。甘みと苦味のある組み合わせかなと想像しますが、さて試飲の結果はいかに?

(写真: 実際の豆)

コーヒーを飲んだ感想

さっそく筆者愛用のコーヒーミル「Breville Smart Grinder Pro」にコーヒー豆をセット。ドリップコーヒーに最適な中挽きにします。ドリッパーはHario V60を選択。(参照過去記事:筆者愛用のコーヒーミルドリッパーの違いについて)

コーヒーを口に含むと、プロファイルどおりビターチョコレートのような割と強めの重厚な苦味が口に広がります。これまで紹介したコーヒー豆はミディアム中のミディアムといった感じで強さはあまり感じませんでしたが、こちらはダークローストに結構近いミディアムローストだと感じました。余韻に黒砂糖のようなほんのり甘みが残りますが、それほど強くはなく、さっぱりとした後口です。

苦味という点では先月のPueblo Querido Coffeeのコロンビアシングルオリジン豆の特徴と似ていますが、苦味と甘さのバランスを割合で表現するなら、Pueblo Querido Coffeeは1対1、今回のOSLO Coffeeのブレンドは2対1かなと感じました。繰り返しますが、決して嫌な感じのする苦味ではありません。本当に媚びない姿勢というか、まさにダークチョコレートのようなのです。焙煎度合いにより総じて強めのブレンドに仕上がっています。

なので濃い目のコーヒーがお好きな方のデイリー使い、また筆者のようにアメリカの薄めのコーヒーに慣れてしまった方には、午後の食後のコーヒーや甘いスイーツなどとの組み合わせに最適なコーヒーだと思います。

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Sky満足度 ☆4.0 (5点中)  割と強めの苦味で、パンチがあります。濃いめコーヒーが好きな方や、食後のコーヒーやスイーツとの組み合わせに最適なコーヒーです。もう少し甘みがあればなお筆者好みですが、鮮度は良いので、心地よい苦味でした。筆者は最近薄めコーヒーに慣れてしまってきているので(加齢の影響?)、デイリーでなくピンポイントで飲みたいコーヒーかなと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。次回は3月となります。どうぞお楽しみに!

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