2023年2月、コロナ後初めてのヨーロッパ旅行に行ってきました。行き先に選んだのはずっと憧れていたポルトガルの首都リスボン。テージョ川に面するオレンジ屋根の建物と、細い路地が入り組んだ街並みが有名です。ジブリ映画の「魔女の宅急便」でもリスボンの風景が一部反映されたと言われています。
他にもリスボンを行き先に選んだ主な理由は以下です。
- 他のヨーロッパの都市に比べると物価が安く、宿泊費も比較的お手頃。
- 日本人の口に合う食べ物が多いと聞いたこと。←これ重要
- 冬場でも観光するには十分暖かいこと。
本記事では、筆者の旅行経験を通じて、初めての人向け、リスボン観光モデルコースを提案したいと思います。2日間の滞在でリスボンの基本知識や見どころをピンポイントで抑えられるような内容にしました。
せっかくの休暇ですから、全体的に、詰め込みすぎず、余裕のある構成になっています。筆者がプランニングで失敗した部分も反省点として共有します。のんびりとリスボン観光を楽しみたいと思っている読者の方の参考になれば幸いです。
基本情報
交通
リスボンへの行き方
空路ならリスボン空港(3レター:LIS)を利用します。
アメリカからはTAPポルトガル航空がボストン、シカゴ、マイアミ、ニューヨーク(JFK/EWR)、サンフランシスコ、ワシントンD.C.(IAD)からリスボンへの直行便を運行しています。
米系キャリアだと、デルタ航空がニューヨーク(JFK)、ボストン(期間限定)から、ユナイテッド航空がニューヨーク(EWR)、ワシントンD.C.(IAD)から、アメリカン航空がフィラデルフィア(期間限定)から、リスボンへ直行便を運行しています。
※上記情報は2023年4月現在
ヨーロッパ主要都市(ロンドン、パリなど)からも沢山のフライトがあるので、直行便が利用できない場合でも、選択肢は多いです。
市内交通
リスボン市内には主に以下の公共交通機関があります。
■地下鉄メトロ(Metro)
4路線(赤、黄、緑、青)走っています。観光客にも利用しやすく、赤のメトロがリスボン空港に直結しています。清潔感もあり、安心して利用することが出来ました。日本と同様に改札の入口、出口で切符をかざす必要があります。
※初回利用時に、払戻不可・再チャージ可能の「viva viagem card(0.5€)」を購入する必要があり。チケットは駅の自動券売機で購入します。
※リズボアカードで無料
(viva viagem card、ICチップ入りで繰り返し使用可)
上記メトロ路線図はこちらのページからダウンロードできます。
■路面電車トラム(Carris)
リスボン名物の古風な外観のトラム(路面電車)は、滞在中一度は乗ってみたい乗り物です。旧式のレトロタイプのトラムは5路線(12、18、24、25、28)あり。中でも28番のトラムは歴史地区を縫う様に走っており、観光客に人気が高い路線です。
運賃 1回の乗車 1.65€(事前購入しviva viagem cardにロード済の場合)、車内でのチケット購入 3€、24時間乗り放題チケット(メトロ含む)6.6€
※チケットを事前購入する場合、主要なメトロの駅の券売機を利用する必要があります。
※リズボアカードで無料
筆者失敗談:今回筆者は、トラムに乗るチャンスを逃してしまいました。と言うのも、観光最終日の夕方ごろにトラム28番に乗ろうとしたのですが、なぜか待てども待てどもトラムが来ませんでした。10分毎に運行しているはずですが、45分ほど待って諦めました筆者からのアドバイスとしては、トラムに絶対乗りたいなら、午前中の早めの時間を狙うこと。混雑必須なので荷物は少なめにした方が良いでしょう。
■電車(Comboios de Portugal、CP Trainとも呼ばれる)
ベレン地区やリスボンに近い観光地シントラに向かう際に利用できます。筆者はベレン地区に向かう時に利用しました。
運賃 リスボン市内「Lisboa-Cais do Sodre」ーべレム地区「Belem」1.35€、メトロ、トラム、CPトレイン共通の24時間乗り放題チケット 10.70€ (Sintra、Cascais、 Azambuja、Sado路線)
※ホームページによると、自動券売機での支払い方法は硬貨、紙幣、デビットカードとのこと。viva viagem cardに切符をローディングできるようです。
※リズボアカードで市内無料
ベレン地区にはトラムでも行けるので、今回紹介する2日間のモデルコースは、電車を利用せずに完結することもできます。
■旅行者の利用頻度は少ないと思いますが、バス、フェリーもあります。
観光をお得に、快適に楽しむヒント
お得な観光用チケット
■リズボアカード(LISBOA CARD)
24時間、48時間、72時間など、24時間単位で市内交通機関(メトロ、トラム、CPトレイン)が乗り放題となり、ジェロニモス修道院やベレンの塔は入場無料。その他の多くの観光地で割引が受けられる、お得にリスボンを観光できるチケット。
※Visit Lisboa.com でバウチャーを事前購入すると5%オフ(2023年4月時点)
購入場所:上記Visit Lisboaサイトや、ツーリズムオフィス(リスボン空港にもツーリズムオフィスあり)、主要観光地など
※リズボアカードで割引が適用になるアトラクションはこちら
※リズボアカードの詳細情報のガイドはこちら
リスボン観光アドバイス
■履きなれた運動靴で
リスボンの街は石畳が多く、急な坂道も多いことから、履き慣れた運動靴がマストです。
■ユーロ硬貨を常備しておくと良い
公共のお手洗いは有料のところが多いので、硬貨を常備しておくと良いでしょう。50セントが主流だったように思います。有料制である分、清掃はわりと行き届いています。
■月曜日は多くの名所がお休み
ジェロニモス修道院やベレンの塔、美術館・博物館の大半は月曜が休みです。プランニングの際は気をつけてください。
■電源プラグ・電圧
ポルトガルの電源プラグで最も一般的なのがタイプC。タイプFもあるそうです。日本やアメリカに在住の方は、スマホなどの充電用に変換プラグが必要です。
電圧は220Vです。iPhoneなど、出力電力(input)が100V-240Vと書かれている電化製品は変換プラグがあればそのまま充電できますが、出力電力が異なる場合はプラグだけでなく変圧器も必要になります。
リスボン観光モデルコース2日間
抑えるべき歴史上の重要人物
実際に観光モデルコースを紹介する前に、知っておくと観光をより深く楽しめる、3人の歴史上の重要人物について触れたいと思います。
■エンリケ航海王子(Henrique o Navegador:1394-1460)
ジョアン1世の三男として生まれ、ポルトガルの大航海時代の初期に重要な役割を果たしました。エンリケは、自分の好奇心を満たすため、ポルトガルの領土と富を拡大するため、そしてキリスト教を広めるために遠征の資金提供や計画を行いますが、自らはほとんど航海に出ませんでした。
派遣した探検隊はマデイラ諸島の発見から始まり、アフリカ西岸を踏破。シエラレオネに到達した時にエンリケはその生涯を閉じますが、彼の行動はヨーロッパの大航海時代の火付け役となり、その後もポルトガルの海洋進出は続きました。
■マヌエル1世(Manuel I:1469-1521)
ポルトガル王。適任な後継者がいなかった従兄の国王ジョアン2世の養子として、遺言により即位しました。マヌエル自身は傍流の六男として生まれながら、偶然が重なって王位につき、その治世下でヴァスコ・ダ・ガマのインド航路の開設など幸事に恵まれたため「幸運王」とも称されます。
アフリカ、アジア、新大陸にまたがる一大海洋帝国を築き、首都リスボンにはアジアの香辛料(スパイス)、アフリカの金、マデイラ島の砂糖が流入。この富を背景に絶対王制を確立。栄華を象徴するジェロニモス修道院やベレンの塔を新築しました。
■ヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama:1460-1524)
日本でも認知度の高いポルトガルの探検家。ヨーロッパ人として初めて、ヨーロッパから東へ向かうインド航路を開設した人物と言われています。
エンリケ航海王子没後、アフォンソ5世の時代は海洋進出の勢いが弱まりますが、後にジョアン2世の時代に喜望峰に到達し、インドまで海洋航路で進めることが分かりました。そして前述したマヌエル1世の時代、ヴァスコ・ダ・ガマ率いる艦隊がインド航路開拓を使命としてベレンから出発。1498年にインドのカリカットという貿易港に到達しました。
ポルトガルに戻ったヴァスコ・ダ・ガマはマヌエル1世からその功績を讃えられました。その後インドから輸入されるようになった香辛料(スパイス)がポルトガルに大きな富を与えたことから、マヌエル1世はそれらの栄華の象徴として、ジェロニモス修道院を建立しました。
観光1日目〜ベレン地区を中心に〜
1日目は、大航海時代の建造物が残るベレン(Belem)地区を中心に周ります。リスボン中心部から少し離れており、歴史的な見どころも多いので、余裕があれば観光に1日確保することをお勧めします。夕方前には市内中心部に戻って、街歩きをしたりディナーを楽しみます。
今回記載した名所はいずれも「超」メジャーな観光地なので混雑は必須。待ち時間も考慮して行動しましょう。
トラム15E(※新型のトラムで古いタイプのトラムではありません)
「Cais Sodré」→「Mosteiro Jerónimos」
CPトレイン
「Lisboa – Cais do Sodre」→「Belem」
エッグタルトの発祥店「Pasteis de Delem(パスティス・デ・ベレン)」で朝食
食べること大好きな筆者がまず一番に抑えたかったのがこちら。卵黄がふんだんに使われたカスタードクリームをパイ生地で包んで焼き上げたお菓子、エッグタルトの発祥のお店です。ポルトガルではエッグタルトのことを「パステル・デ・ナタ」と言い、町中のお店で販売されており、ポルトガルを代表するお菓子です。
エッグタルトの誕生にはこの後訪問するジェロニモス修道院が大きく関係しています。
1820年のポルトガル自由主義革命を受け、国内の修道院は1834年に閉鎖。修道士(女)たちは追放されました。その中から生活のためにジェロニモス修道院の近くにあった砂糖精製所に隣接する店舗で焼き菓子を売る者が現れ、ジェロニモス修道院やベレンの塔を訪れる人の間で瞬く間に人気になりました。
1837年に正式に「パスティス・デ・ベレン」として開店。修道院を起源とする秘伝のレシピはマスターパティシエなどに限定して伝えられ、現在もそのレシピは変わっていません。エッグタルト発祥のお店というだけでなく、今でもリスボン1美味しいエッグタルトだと言われてます。
お店の入り口は、店内飲食用(左)と持ち帰り用(右)で分かれています。
店内の奥にはこんな開放的なテーブル席があります。白地に青のタイルの装飾も目を引きます。
キッチンには何百もの焼きたてエッグタルトが並んでいます。
店内飲食の場合、エッグタルトは1個単位、または6個単位で注文できます。食べやすい一口サイズで、濃厚なカスタードクリームとサクサクの生地が絶妙のバランスでおいしかったです。作りたて、かつ優しい甘さなので、2個いけそうでした。これは絶対に食べる価値ありです!
時間がない場合は、持ち帰りしてホテルでいただいても良いと思います。一緒に注文したプロシュートとチーズのホットサンドイッチも美味しかったです!お腹も心も大満足で次の目的地に向かいました。
営業時間:8:00am〜8:00pm ※1月1日、12月24、25、31日は7:00pm閉店
サイト:https://pasteisdebelem.pt/en/
世界遺産ジェロニモス修道院(Jerónimos Monastery)を見学
大航海時代の栄華を今に伝える建造物。リスボンに来たなら必見です!エンリケ航海王子の功績と、インド洋航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマの偉業に敬意を払い、マヌエル1世により1502年に建築が開始されました。
ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見で、ポルトガルには、インド、アフリカ、東南アジアから金や香辛料が集まるようになり、大きな利益がもたらされました。それらの富を惜しげもなく使って建てられたジェロニモス修道院は豪華絢爛。マヌエル様式と呼ばれる独特の建築様式で装飾されており、海や動植物のモチーフの他に、ロープや天球儀、船、サンゴ、海藻など、航海を連想させる彫刻が施されています。
「修道院の南門」
南門は、マヌエル様式の最高傑作の一つといわれ、ジョアン・デ・カスティーリョの作と言われる24体の聖人、中央にはエンリケ航海王子、頂(いただき)にはベツレヘムの聖母の像もそびえています。まぁ装飾の手の混んでいること!
「中庭と回廊」は息を呑む美しさで、修道士たちがここで同じ空を見てたのかと想像すると、感慨深いものがあります。植物やサンゴのモチーフが散りばめられており、心安らぐ大変美しい空間になっています。
「食堂」
黄色と青が主体の美しいタイル画が壁一面に埋め込まれています。
「聖マリア聖堂」
修道院と入り口は別(右側)。聖堂には無料で入場可能です。修道院同様、天井まで美しい装飾が施されており、荘厳な雰囲気で満たされています。
ここにはヴァスコ・ダ・ガマの棺(下の写真)とポルトガルを代表する詩人ルイス・デ・カモンイスの棺が安置されています。
修道院への入場料:大人10€(聖堂のみの場合は無料)、リズボアカードで無料
休館日:月曜、1月1日、イースター、5月1日、12月25日 ※予告なしの休館あり
開館時間:9:30am-6:00pm 最終チケット販売:5:00pm、最終入場:5:30pm
サイト:https://www.patrimoniocultural.gov.pt/en/museus-e-monumentos/dgpc/m/mosteiro-dos-jeronimos/
ベレンの塔(Torre de Belém)
ジェロニモス修道院と合わせて世界遺産に登録されています。もとはテージョ川を行き交う船を監視し、河口を守る要塞としてマヌエル1 世が建設を命じたもの。こちらもヌマエル様式建築物で、 天球儀や、ロープ、海草、貝など船や海に関したマヌエル様式の装飾が随所に施されています。その気品ある姿を司馬遼太郎「テージョ川の公女」と呼びました。
大航海時代には、港に戻った航海士達が、テラスから川を見守るマリア像を見て安堵したと言われています。
6層からなる建物の地下には潮流により海水が流れ込む水牢が設けられ、政変のたびに高位高官が数知れず幽閉されたという暗い歴史を持つ建物でもあります。
(別のアングルから)
筆者は今回外観のみの見学としましたが、中に入るには入場券が必要で、人数制限があるのでここでも待ち時間を考慮しておいた方がよいでしょう。
屋上からは美しいテージョ川やリスボン市内を眺めることができますが、屋上に登るには非常に狭い階段を登る必要があり、登り降りするのに時間がかかるそうです。
入場料:大人6€、リズボアカードで無料
休館日:月曜、1月1日、イースター、5月1日、6月13日、12月25日
開館時間:9:30am-6:00pm 最終チケット販売:5:00pm、最終入場:5:30pm
サイト:https://www.patrimoniocultural.gov.pt/en/museus-e-monumentos/dgpc/m/torre-de-belem/
発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)
エンリケ航海王子の没後500年を記念し、1960年にテージョ川沿いに建てられた記念碑。船の形をしたモニュメントには、エンリケ航海王子をはじめとして、探検家、芸術家、科学者、宣教師など、総勢32人の偉人の像が並んでいます。その中には日本人にもお馴染みのヴァスコ・ダ・ガマ、フランシスコ・ザビエルも含まれています。
こちらのリンクから、それぞれの人物の位置を確認できます。(西側、東側で別の偉人が並んでいます。)
今回筆者は、外観のみを見学しましたが、内部に入るとテージョ川を一望できるようです。川沿いに座り、4月25日橋を眺めながら少し休憩するもの良いでしょう。
「羅針図(コンパスローズ)」
モニュメントの前にある広場の石畳には、幅50メートルの羅針図のモチーフの中央に、幅14メートル大きな世界地図が描かれています。
15世紀から16世紀にかけ、ポルトガルが新しく航路を拡大をした年が、地図上に記されています。
日本に到達したのは1541年。豊後国神宮寺浦(現在の大分県)に漂着したのが、ポルトガル人の最初の日本上陸と言われています。その後1543年に種子島に鉄砲が伝来したのは歴史の授業で習いましたね。
インドのカリカットに到達した1498年から、日本到達にはさらに約40年かかったというのが感慨深かったです。
ここでベレン地区での観光を終え、市内(Cais do Sodré地区)へ戻ります。
展望台への入場料:大人10€
休館日:1月1日、5月1日、12月24、25、31日
開館時間:10:00am 最終入場:10-2月 5:30pmまで、3-9月6:30pmまで
サイト:https://padraodosdescobrimentos.pt/en/
→各駅まで徒歩で移動
市内への代表的な移動手段
トラム15E(※新型のトラムで古いタイプのトラムではありません)
「Centro Cultural Belém」→「Cais Sodré」
CPトレイン
「Belem」→「Lisboa – Cais do Sodre」
リベイラ市場 でランチ or 「たらのコロッケ」をつまみに昼からビール
さてベレン地区の観光を終えてかなりお腹も空いたので、ランチ、または軽めのスナックを取ることに。
まず候補①のリベイラ市場の様子を見てみることに。
ランチ候補①リベイラ市場(Mercado da Ribeira)のフードコート
世界的に有名な情報誌『タイムアウト』が主催するフードコートが入っています。
リベイラ市場の開設は1892年ですが、近年市場としての機能が縮小傾向にあった中、2014年にタイムアウトが土地の半分を買い取りフードコートとしてリニューアルオープン。街の一番を集めたフードコートを目指しており、リスボンで選りすぐりのお店が入っています。リスボンの名物を気楽に試すのにもってこいの場所です。
お店のリストはこちら
生ハム屋さん「MANTEIGARIA SILVA」がとても気になりました。ワインといただいたら最高だろうなぁ🤤
ただこちら大人気のスポットで、観光客や地元の人でとにかく混雑しているのと、空いたテーブルを見つけるのが大変そうだったので、今回はスキップしました。
ランチ候補②たら(バカリャウ)のコロッケ専門店「カーザ・ポルトゲーザ・ド・パステル・デ・バカリャウ(Casa Portuguesa do Pastel de Bacalhau)」(チーズしたたるバカリャウコロッケの写真が目印。高級感あふれる店内)
リスボンに来たからには絶対食べるべき地元料理が、たら(バカリャウ)のコロッケ。干した鱈(たら)を使ったバカリャウ料理はポルトガルの定番料理だそう。その中でもじゃがいもと混ぜて揚げたコロッケは、前菜として多くのレストランで提供されています。
そのバカリャウコロッケの専門店。特筆すべきはこちらのお店のコロッケはチーズ入り。ポルトガルの高地で生産されている羊ミルクを使った高級チーズを使用しています。
こちらでコロッケ1つとビールを注文することに決定!気候も良かったので、屋外席で道ゆく人とトラムを見ながらいただきました。観光で疲れていたので、ビールが喉を潤してくれます。それにこのバカリャウのコロッケはタラのうま味とチーズの濃厚さがギュッと詰まっていて、さらにビールが進みます。
(特別なグラスでビールはの冷たさキープ。コロッケとの相性最高!)
結果的に軽めのランチとして十分お腹が満たされました。ここではワインよりビールがおすすめ。現地の物価の割に少し高めの観光客向けの値段設定です。(コロッケ2個とビール2杯で米ドル$27でした)
このお店はリスボン市内に広く展開しているので、観光中のタイミングで比較的簡単に立ち寄ることができると思います。主要な観光地の近くにあるお店を以下にに記載しておきます。
営業時間:10:00am〜8:00pm
サイト:https://www.pasteldebacalhau.pt/en/
市内のその他のロケーション:サン・ジョルジュ城店はこちら、バイシャ地区アウグスタ通店はこちら、コメルシオ広場にあるビールミュージアム店はこちら、
ここで4:00pmくらいになりました。ディナーまでの時間は、ホテルで少し休憩したり、市内中心部の街歩きを楽しみます。
筆者のディナー紹介(1日目):隠れ家風レストランでたこのグリルを食べる
この日の夕食は、地元の人の比率が多そうな隠れ家レストランをピック。観光客で溢れるバイシャ地区からは少し歩きますが、途中の小道にはケーブルカーが登場したりと、散策しながら歩くとあっという間でした。
ここでは、ポルトガルで食べてみたかった「たこ足のグリル」、夫は「えびのリゾット(写真撮り忘れ)」、前菜はイベリコ豚ハムをシェアしていただきました。
お値段は高すぎず、安すぎず。こじんまりとした店内で、ゆっくりディナーを楽しむことができました。味もプレゼンテーションも合格点でした!筆者が訪れた日は満席だったので予約をおすすめします。
営業時間:7:00pm〜00:00am(木、金、土は〜2:00am)※日曜定休
サイト:https://valisedimage.wixsite.com/taberna-antidantasen/food
観光2日目〜アルファマ(Alfama)地区を中心に〜
2日目はザ・リスボンな街並みが残るアルファマ地区(Alfama)を中心に周ります。
名物のトラム28番に乗車
筆者の失敗談から、リスボン名物のレトロなトラム(路面電車)に乗るには朝一がおすすめです。特に歴史あるアルファマ地区を縫うように走る28番のトラムは大人気で、観光の足に組み込んで早めに乗ってしまうのが得策です。始発駅から乗車すれば乗れる確率も高まります。
→地下鉄緑線の「Martim Moniz」駅前にある、トラム28乗り場「Martim Moniz(始発駅)」から乗車し→次の目的地サン・ジョルジュ城最寄り「Prazeres」駅で下車
※オプション 途中「グラサ(Graca)」駅で下車して、グラサ地区の街歩きやノッサ・セニューラ・ド・モンテ展望台やグラサ展望台を訪れるのもあり)
サン・ジョルジュ城(Castelo de S. Jorge)
始まりは紀元前のローマ時代と言われているリスボン最古の歴史的建造物。丘の上に立つ城壁からは、リスボンの美しい街並みを望むことができます。
8世紀ごろにはすでにイスラム教徒の集落があった可能性が示されており、その後1147年になると、のちの初代ポルトガル王アフォンソ・エンリケスが、イスラム教徒から城と集落を取り戻しました。13世紀から16世紀初頭にかけて王宮として使用され、インド航路を開拓したヴァスコ・ダ・ガマもここで歓待を受けました。
16世紀初頭にマヌエル1世が王宮をテージョ川沿いに新設したため、それ以降は異なる目的で使用され、幾度の地震でも被害を受けました。20世紀後半にかけて大規模な修復作業が行われ現在の姿になっています。
(城壁の上に登ることができます。かなり急なので動きやすい服装で)
(たくさんの孔雀が城壁内に暮らしており、訪問客の目を楽しませていました)
入場料:大人15€、
休館日:月曜、1月1日、5月1日、12月25日
開館時間:9:00am 最終入場:11-2月 6:30pmまで、3-10月8:30pmまで
サイト:https://castelodesaojorge.pt/en/
リスボン大聖堂(Sé de Lisboa)
アルファマ地区の坂道の途中にそびえる荘厳な佇まいの大聖堂は、市内で最も古い教会です。1147年、それまで市を支配していたイスラム教徒向けのムスクがあった場所に、新たに大聖堂の建築が始まりました。
度重なる地震、そして再建を経て、建物はロマネスク様式とゴシック様式が混在した建物になっており、建築物としても大変見応えがありました。バラ窓のステンドグラスが美しかったです。
入場料 大人 5€ 7-12歳 3€
休館日:日曜日とキリスト教の祭日
開館時間:11-4月 10:00am-6:00pm
5-10月:月・火・木・金 9:30am-7:00pm、 水・土 10:00am-6:00pm
※閉館時刻の45分前が最終入場時刻
サイト:https://www.sedelisboa.pt/
アルファマ(Alfama)地区の散策+ランチ
迷路のように路地が入り組むアルファマ地区。一通り観光地を巡ったら、地図を見ずに気まま歩いてみるのがおすすめです。建物の側面に施された色鮮やかなタイルの装飾を見つけたり、テージョ川を眺める小さな公園で休憩したり、ふらっとお土産物屋さんに入ったり。坂道の登り下りとデージョ川が見える方向で、なんとなく居場所がわかるので、迷子になる心配もありません。
そんな気ままなな散策途中にランチを取ったのがSantiago tapasというお店。あとでレビューを見たら中々の辛口評価でしたが(汗)、ちょっとしたおつまみを食べる分には十分美味しかったです。
注文したのは、タコのサラダ(9.5€)、炙りカマンベールチーズのイチジクジャム添え(9€)、パン(2€)、豚肉を挟んだサンドイッチ(ポルトガル名物ビファナのようなもの、写真撮り忘れ 12€)、ビール(1杯9€)
上記以外にもこのエリアには小さなレストランが点在しているので、良さそうなところに入りましょう。ただし値段もメニューも観光客向けなレストランが多い印象です。
Santiago tapas
コメルシオ広場(Praça do Comércio)
アルファマ地区の坂道を下り切ったテージョ川沿いにある大きな広場。16世紀初頭には、ここにマヌエル1世が新しく建てたリベイラ宮殿がありました。
直訳では「貿易広場」との名前通り、この一帯は大航海時代の貿易の窓口として栄え、他国との取引のため港湾関係の建物が建設されました。しかしジョゼ1世の時代の1755年に起こったリスボン大地震で、それらの建物は宮殿とともに全壊。復興に尽力したポンバル侯爵は、ここに宮殿は再建せず、広場として整備しました。
アウグスタ通り(R.Augusta)側の入り口には、勝利の門のアーチがあります。アーチの上を見上げると、栄光・創造・勇気を象徴する像をトップに、ヴァスコ・ダ・ガマ、ポンバル侯爵などのポルトガルの偉人像が並んでいます。
テージョ川に面した非常に開放感のある美しい広場で、休憩にもぴったり。周りにはレストランなども並んでいます。その中には街で一番古いレストランの「Martinho da Arcada」もあります。
コメルシオ広場(Praça do Comércio)
バイシャ(Baixa)地区をそぞろ歩き
コメルシオ広場出てすぐ、アウグスタ通り(R.Augusta)を中心に、石畳の通りが碁盤の目状に並ぶエリアがバイシャ(Baixa)地区です。
土産物屋さんや、レストランが並び、昼夜多くの観光客で賑わっています。
サンタ・ジュスタのエレベーター(Elevador de Santa Justa)
バイシャ(Baixa)地区でも特に行き先を決めずブラブラするのがおすすめですが、必見のスポットのひとつがサンタ・ジュスタのエレベーター(Elevador de Santa Justa)。街中に突如として現れる鉄製のエレベーターは、低地バイシャ地区と高地シアード地区を結ぶ市民の足として作られました。
パリのエッフェル塔を設計・建設を手掛けたギュスターブ・エッフェルの弟子のラウル・メニエ・ド・ポンダールが建設。完成した1902年当初は蒸気の力でエレベーターを乗降させていたそう。エッフェル塔にも似た雰囲気のある、鉄を使った巧みで美しい建造物です。
眺望スポットとして多くの観光客にも人気で、リズボアカードがあれば無料でエレベーターに乗ることができます。街ち時間が長そうだったので、筆者はエレベーターは回避しました。
高台側のシアード地区には歩いて行くことができるので、徒歩で展望台へアクセスすることが可能。エレベーターの低地側(以下地図の青丸枠)に着いたら階段を登ると無印良品が見えるのでその通りを左側へ向かいます。あとは地図の赤矢印のように進むと高台側に着くことができます。巨大な立体迷路のようで楽しいです。
エレベーター利用料(2回分+展望台)5.30€ 展望台のみ1.5€
営業時間:7:30am-11:00pm
エレベーターは、リズボアカードやメトロ・トラム共通の24時間チケットがあれば無料
Google Map地図
ロシオ広場(Praça do Rossio)
アウグスタ通りをさらに北の方に進むとロシオ広場(Praça do Rossio)、別名ペドロ4世広場(Praça Dom Pedro IV)があり、夜は美しくライトアップされています
広場の歴史は約700年と長く、15世紀に迎賓館として広場の北側に建てられたエスタウス宮は、16世紀には宗教裁判所となり、この場所で公開処刑が行われていたことも。現在はエスタウス宮があった場所にマリア2世国立劇場があります。
中央の銅像は、ブラジルの初代皇帝を務めたペドロ4世。
広場に面した場所には、18-19世紀に作家や芸術家が愛したカフェ「ニコラ(Nicola)」があります。
ロシオ広場/ペドロ4世広場(Praça do Rossio/Praça Dom Pedro IV)
筆者のディナー紹介(2日目):たらとじゃがいものスープとシーフードリゾット
懲りずに再びシーフードをチョイス。観光客向けレストランですが、路地裏の屋外席がいい感じだったので、飛び込みました。ただし会計時に必ずサービスチャージの15%が加算されるので、若干ぼったくり感がありました。ですので、お店の名前を掲載するのは控えたいと思います。
■たら(バカリャウ)とじゃがいも、シーフードのスープ…干し鱈は、本当に独特の強いうまみをスープにもたらしますね。じゃがいもとも好相性です。ただ一緒に頼んだリゾットとやや風味が被ってしまいました。
■シーフードリゾット…リスボンで食べたもので一番美味しいと感じたのが、シーフードリゾット!お米がうまみたっぷりのスープを吸って安定の美味しさ!アルミ製の鍋に入ったまま提供され熱々だったのも良かったです。
まとめ
リスボンは筆者が思っていた以上に歴史が深く、観光しながら世界史の知識を引っ張り出し、「この場所から大航海時代が始まったのかぁ」などと、思いを馳せる瞬間が楽しかったです。食事もシーフードや米など日本人に馴染みのある食材を使ったものが多く、毎回何を食べようか迷いました。
本記事では、2日間でリズボンの名所を効率的に回ることを目指した筆者の旅行記をモデルコースとして提案しています。余裕を持ったスケジュールなので、これをベースにして、さらに深く観光することも可能です。
大航海時代や世界の歴史が好きな人、中世からの古くかわいい街並みが好きな人、グルメ好きな人におすすめできる旅行先だと感じました。今後リズボンへ旅行を検討している方にとって、本記事が参考になれば幸いです。