突然ですが、海外に住む読者の方は現地で買えるお米に満足していますか?筆者の住むアメリカでは、ありがたいことに、お米は割と簡単に手に入ります。ただ日本で食べるお米に比べると、もちもち感や甘さの面で物足りないと感じています。
「コシヒカリ」や「あきたこまち」として、アメリカのスーパーや日本食スーパーで販売されている短粒種(ショートグレインライス、ジャポニカ米)は、カリフォルニア産など日本産以外がほとんど。もちろん生産者の方は日々努力されていると思いますが、気候や水質など諸々の条件が日本と違うためか、満足度で一歩及ばないと感じます。「仕方ない」と諦め半分で米国産のお米を食べてきました。
そんな中、マンハッタン41stにある日系スーパーのサンライズマートで見つけた「the rice factory new york(ライスファクトリー)」さんのお米を試してみたところ、アメリカに来てから一番おいしいご飯(誇張なしに)が炊けたのです!気になり調べてみると、日本産のお米が最高の状態で海外で手に入るよう、努力を重ねている会社だと知りました。自信を持っておすすめできると思ったのと、微力ながら応援させていただきたいと思い、本ブログで紹介しようと考えました。
ニューヨーク在住以外の方も米国内ならオンラインで購入可能。2KGで$20前後(無農薬はさらに高価)とお値段は安くはないのですが、大切な日の食卓や贈り物にはもちろんのこと、自分へのご褒美として、たまにはとびっきりおいしいお米でご飯を炊いてみませんか?過去記事で紹介した「久世福商店のご飯のお供」や「尾粂だし」のだしで作るお料理とのペアリングにも最高だと思います。
ライスファクトリー・ニューヨークとは(ホームページ参照)
「三代目 俵屋玄兵衛」ブランドを展開する株式会社Wakka Japanがニューヨークに開設した精米所です。三代目 俵屋玄兵衛ブランドは、2009年に世界初となる日本産米現地精米所を香港に開設。きっかけは「自分たちが本当においしいと思うお米を海外でも食べたい」というものでした。当時香港では他国で生産された日本品種米が主流で、鮮度と味の面で満足できるものがなかったとのこと。
以来、シンガポール、台北、ホーチミン、「the rice factory」のブランド名でホノルル、そしてニューヨークに精米所を構えています。「世界一の日本産米を最高の状態で」とのこだわりの元、生産地の選定から、最適な保管方法と輸出、外地での温度管理、注文が入ってからの精米など、それぞれのステップにおいて妥協せずに最高品質のお米を消費者に届けようと努力されています。
収穫直後からの温度管理 保存食のように見えるお米も実は野菜や果物と同じ「生もの」。収穫後から輸出、現地での保管に至るまで温度管理を徹底し、新鮮さを保つ努力をされています。
精米 日本の精米エキスパートが、季節や米のブランドごとに精米の圧力を調整。精米すると酸化が始まってしまうので、注文が入ってから精米します。精米方法も注文時に指定することが可能。
さらに化学調味料不使用の食品、調味料(いずれも日本より輸入)などをお米と一緒に購入することができます。
また、お店のブログではニューヨークのお寿司屋さんなど、ライスファクトリーのお米を使っているレストランも紹介されています。
三代目俵屋玄兵衛のブランド理念に、筆者はとても共感しました。
①海外の人々に、日本が誇る世界一のお米である日本産米を広くひろめ、正しい日本食文化普及に貢献する事。
②日本から遠く離れ海外で頑張る日本人を応援すべく、故郷の味である日本産米を適正価格でお腹一杯食べてもらう事。
引用元:https://www.tawaraya.com.hk/jpn/about/company
①もさることながら、②は海外移住者としては大変嬉しいこと。筆者にとっては子供の頃から慣れ親しんだ主食であり、おいしいお米を食べるとパワーがみなぎります。特に体調悪い時などはお米が無性に食べたくなります。
ということで、ライスファクトリーのお米は本当においしいのか?少々高いお金を払って買う価値はあるのか?実食して確認したいと思います。
実食レポート
こちらが筆者が購入した「北海道 ゆめぴりか」。よく見える場所に精米日の記載があります。
お米は茶色のシンプルな紙袋に丁寧に包まれています。袋の中はこんな感じです。
お米を研ぐ前に、自宅にあった別の日本品種米(アメリカ産)と米粒の形を比べてみました。
1枚目の写真はアメリカ産の某日本品種米。軽洗米ということもあってか、深めに精米されていて角の部分が鋭く尖っており、表面も凹凸があるのがわかります。
(アメリカ産)
一方2枚目の写真がライスファクトリーの「北海道 ゆめぴりか(白米)」。全体的に柔らかな丸みを保っており、シャープな角が少ないことがわかります。おそらく食べた時の食感の違いはこういうところから来ているのかなと思います。
(ライスファクトリー「北海道 ゆめぴりか(白米)」)
お米を研いでからいつも使っている炊飯器にセット。お水は浄水フィルター(ブリタ)を通したものを利用しました。30分ほど、お水に浸してから、炊飯スイッチをオン!
炊き上がりがこちら。お米がツンと直立!外観だけで、ふっくらした食感が伝わってきます。
極上のお米で炊いた白ごはん。せっかくなので、お味噌汁もだし尾粂のだしパックを使って作り、日本に帰国した時に買った貴重な八丁味噌でお味噌汁を作りました。そして白ごはんの最強の相棒である納豆。なんと贅沢なのでしょう。
ライスファクトリーのお米で炊いたご飯を口に運んだ瞬間、強い甘みがふわっと広がりました。そして食感が素晴らしい!ふわふわ感ともっちり感が絶妙なバランスです!アメリカ産米には、このふわふわ感ともっちり感が不足しているのだと気づかさせれます。違いがはっきりと分かります!
アメリカ育ちの主人でさえ「他のお米が食られなくなる」と、その違いに感動した様子。
日本のお米の品質の高さを改めて見直すと同時に、遅まきながら日本の生産者の方の努力に感謝しました。
ライスファクトリーのお米がさらにすごいのは、冷めてからの再加熱でもおいしくいただけること。黄色く変色したりせず、冷蔵庫や冷凍庫に保管して、温め直しても風味がそれほど損なわれません。米国産は冷凍→温め直しすると急激に品質が落ちるので、ここも大きな違い。
お値段は少々高めですが、それに見合う価値を届けてくれるお米だと断言できます。
筆者が入手したのが2021年に収穫されたお米だったので、もし新米だったらさらにさらに!おいしいのではないかと想像します。
まとめ
この記事は特にアメリカ在住で、本当に「おいしいお米」を食べたい、アメリカ産の日本品種米の品質に満足していない読者の方の参考になればと思い執筆しました。
筆者の食卓は和洋折衷なので、毎日お米は炊きませんが、おいしい食材が手に入った時や、元気になりたいときにライスファクトリーさんのお米をこれからもいただきたいと思っています。
Webサイトから購入するか、ニューヨークだと41stのサンライズマート(筆者の経験から)、またはブルックリンのパークスロープ・フードコープ(The Park Slope Food Coop)でも取り扱っているようです。
ニューヨークの北部に実店舗も構えていらっしゃるので、情報を以下に掲載しておきます。
the rice factory new york (ライスファクトリー・ニューヨーク) | |
住所 | 1019 Central Park Ave, Scarsdale, NY 10583 |
エリア | スカーズデール(ニューヨーク市北部) |
電話番号 | (914) 357-6765 |
ホームページ | https://trf-ny.com/ |